しかし、そういう内容に特化したものでなくても、簡単ではありますが、作業工程を触れている本などがあるので、そういうPainterに関連したものを少しずつ紹介したいと思います。
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東方イラストメイキング録 2.0 (100%ムックシリーズ)
2013年の3月に発売された、「東方Project」の二次創作系メイキング本の第二段です。
二次創作物でありますが、著作権者の許諾を正式に受けている旨を、本書末に但し書きしてあります。なので、公認のものです(違法ではありません)。
24人のイラストレータが「東方Project」の各キャラクター絵を描いています。(以下、敬称略)
- Ryota-H(表紙イラスト:CLIP STUDIO PAINT/SAI)
- 水田ケンジ(CLIP STUDIO PAINT)
- 秋★枝(Photoshop)
- ざいん(Photoshop CS5/SAI)
- 鍋島テツヒロ(SAI)
- 晩杯あきら(Painter12/Photoshop CS3)
- 銃爺(CLIP STUDIO PAINT PRO/Photoshop CS5)
- おにねこ(Photoshop Elements2.0)
- 明星かがよ(SAI/Photoshop)
- H2SO4(Photoshop CS6)
- 夜汽車(Corel Painter12)
- 草野ほうき(ComicStudioEX/Photoshop7.0)
- マルイノ(SAI/Photoshop7.0)
- ろんど(SAI/Photoshop7.0)
- 無謀王ああさあ(SAI/PhotoshopCS6)
- いづみみなみ(SAI/PhotoshopCS4)
- 李玖(SAI/PhotoshopCS5)
- りいちゅ(SAI/PhotoshopCS3)
- ぱるたる(PhotoshopCS2/IllustStudio)
- 鶴亀(ComicStudioPro/Photoshop)
- 白味噌(SAI)
- かる(SAI)
- ふうりん(ArtRage3/PhotoshopCS6)
- YU(Corel Painter12/Photoshop)
Photoshopのバージョン記述の無い方もいますが、画像処理系のソフトウエアを満遍なく網羅してると思います(フリーソフト除く)。
個人的には、Painterもですが、ArtRage3を使ったメイキングがあったのが良かったです。
一人あたり6Pが割り振られ、内メイキングの説明は4Pとなっています。
ただし東方Projectシリーズを知らないと、絵の意図を楽しむことができないかもしれません。
絵の中に配置する小物やオブジェクトの選択理由などは、当然のように分かっていること前提で進められています。
Painterについては、の3人が扱っており、いずれもVer.12です。
晩杯あきらについては、ラフ(Painter)→線画(シャープペンシル)→着色(Painter)→調整(Photoshop)となっており、寺田克也や安倍吉俊 を踏襲した作業スタイルです。
夜汽車は、最初から最後までPainterで製作し、YUはラフから着色までPainter、最後の色調調整をPhotoshopで行っています。
全体を通して言えますが、各ソフトウエアについて一通り使えることが前提で説明してあります。
ソフトウエアの使い方を、手取り足取り説明していません。なので、全くのCG初心者には、正直、役に立ちません。2DCGの中級者以上の人にお勧めします。
また塗り終わった後に行う、見栄えを良くする為の効果処理等も、さらっと説明されているので、2DCGの基本を押さえてないと説明自体を理解できないです。
この本には、全作品の未統合PSDファイルデータが入ったDVDが付属してます。しかし当然ながら、基本的に完成直前の未統合データが多いです。
人によっては各段階での作業データを(履歴的に)残してくれている方もいます。
大変分かりやすいPSDファイルと、そうでないPSDファイルがあるのですが、これは読み手のソフトウエアやCGスキルの理解度合いにもよるので、一概に参考になる/ならないとは評価し辛い部分です。
勿論、「好きなイラストレータのPSDファイルが見たい」という目的意識のはっきりした方なら、十分勉強になります。
あとPSDファイルなので、Painterでも見ることが可能ですが、画像ファイルサイズが大きいので、古いPCだと途中で固まって開けない可能性があります。
できれば、Photoshopで開く方をお勧めします。(Painterでも展開するまでに1分待ちとか、あせらず待てるのであれば良いかと思います)
本自体も大きく、画集の側面も持っています。関心のあるイラストレータが参加しているならば、見る価値があると思います。