Painterの備忘録的なアレ

Painter 2018 リリース!(2017/06/28)

Painterの手ぶれ補正について(その2)

SYSTEMAX社のSAIが搭載する『手ブレ補正』機能に該当するPainterの機能は、前述した以外にもう一つあります
それは『キュービック補間』という値です。


SAIの「手ブレ補正」のS-1~S-7あたりの高い補正値では、自分の手で動かして描いたストローク(描線)ではなく、やや矯正された綺麗なストロークが表示されると思います。
人によっては、描こうとした線と、実際描かれた線がずれる様な感覚になると思います。

ストローク矯正のイメージ
〈図1 ストローク矯正のイメージ図〉

図1はかなり誇張してますが、手の震えなどで起こるぶれを補正して、すっとした綺麗な迷いのない線にする補助機能です。

このストロークを矯正する機能が、Painterでは「キュービック補間」で、この値を大きくすればするほど矯正力が大きくなります。

メニュー→ウィンドウ→ブラシコントロール→間隔の表示を実行し、間隔のパレットをひらくと、その項目がでてきます(図2の赤い丸で囲んだ部分)。
間隔パレット
〈図2 間隔パレット〉

改めて言い換えると、Painterの「滑らかさ」と「キュービック補間」の二つが、SAIでの『手ブレ補正』に該当すると言うわけです。

しかし事はそう単純にはいかないのがPainterのブラシ設定で、このキュービック補間という機能は、ブラシ設定値のうち「描点の種類」が「円形」「1ドット」「ブリスル」「取り込み」になっていないと効果を発揮しません。
(上記の描点の種類以外では、項目自体がグレイアウトして変更できないという訳ではなく、内部演算上あまり重要視されていない様です)

「描点の種類」はメニュー→ウィンドウ→ブラシコントロール→一般の表示を実行し、一般パレットを開くと確認、変更できます(図3の赤い丸で囲んだ部分)。
一般パレット
〈図3 一般パレット〉

つまり、前回例として挙げたペンカテゴリのスクラッチボード(図4)では、このキュービック補間機能の恩恵を余り受けないのです。
ペンカテゴリのスクラッチボード
〈図4 ペンカテゴリのスクラッチボード〉


では、このキュービック補間機能の効果が出るブラシはどれか? というと、鉛筆カテゴリのシャープペンシル1(図5)などが該当します。
鉛筆カテゴリのシャープペンシル1
〈図5 鉛筆カテゴリのシャープペンシル1〉

(勿論、それ以外にも該当するブラシが沢山ありますので、時間のある方は探してみてください)


SAIのブラシ挙動をみると、円(ドット)の連続によって描線を表示しているようです(図6)。
下図6を見ればおわかりのように、この方法では、連続する円同士の間隔が狭くなるほど滑らかな描線になります。

なので同様の挙動をする、シャープペンシル1のような「描点の種類」が「円形」のブラシの方が、SAIと似た感じの表現になる訳です。
ドットの連続による描画イメージ
〈図6 ドットの連続による描画イメージ〉

それで、SAIに標準搭載された鉛筆と同じようなブラシがないか、Painterのブラシカテゴリを探してみましたが、通常のブラシでは無いようです。

一番似たものが、上記で挙げている鉛筆カテゴリのシャープペンシルなのですが、これも微妙に異なっているので、このブラシを元に改造し、作ってみることにします。

→「PainterでSAI風の鉛筆ブラシを作る方法」に続く


関連エントリ
Painterの手ぶれ補正について(その1)

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