主線のレイヤー化(線画の抽出)
ペン入れして清書した線は現時点でキャンバスに描かれていますので、これをレイヤー上に移します(線画の抽出)。また、後の着彩作業のために、主線以外の部分は透明にしておきます。(1) レイヤーパネルのキャンバスを選択した状態で、メニュー→選択→自動選択。
自動選択ダイアログ(図7-1)の参照元に「画像の明るさ」を選択してOKボタン押下。
〈図7-1 自動選択ダイアログ〉
選択マーカー(点滅線)が表示され、主線部分が選択された状態になります(図7-2)
〈図7-2 主線が選択された状態〉
(2) 新規レイヤーを作成し、色を選択(図7-3)。
ここでは分かりやすいようにコッパー(茶色)を選択しました。しかし、主線の色が黒のままで構わない場合は黒を選択してください。
〈図7-3 現在の選択色〉
(3) 新規レイヤー1の透明度がロックされていないことを確認し、メニュー→編集→塗潰しを実行。
〈図7-4 主線がレイヤー化された状態〉
レイヤー1に、茶色で主線が再描画されました。
ここで透明度がロックされていると、レイヤー1に何も描写されないので注意してください。
主線以外の部分が透明になっていることを確認するには、キャンバスを非表示にする(目のアイコンを閉じる)とよくわかります(図7-5)。
〈図7-5 キャンバス非表示〉
(4) キャンバス上の主線(黒)を全消し。
レイヤーパネルでキャンバスを選択し、メニュー→選択範囲→全て選択(またはショートカットコマンドCtrl + a)のあと、メニュー→編集→消去(またはBackspaceキー押下)
(5) 「レイヤー1」の名前を「主線」に変更。
以上、ここでペン入れ作業は終了です。
通常この先は、この主線を保護して色を塗ったりするわけですが、今回はここまでです。お疲れ様でした。
今回、制作した線画(原寸)。
補足1
主線以外の部分を透明化している理由は、後の作業で主線の色を(一部)変更する場合に、作業しやすくするためです。主線の色は、主線レイヤーを透明度ロックして変更したい色で塗潰せば、いつでも変えられます。
また一部分だけ変えたいときは透明度ロック状態で、任意のブラシと色で、その箇所を塗ればよいです。
補足2
キャンバス上にあるペン入れ完成絵を、全選択した後レイヤー変換し、その後レイヤーの合成方法を乗算にしても主線はレイヤー1に移動できます。勿論、この方法でもPainter12では何ら問題ありません。ただし、この方法では主線以外の部分が、白と認識されてしまいます。なので後に主線の色のみ変更したい場面になったときに、その時点で線画の抽出作業が必要になります。
Ver.11以前に関しては、主線レイヤーを乗算にするのは避けましょう。
補足3
アナログでペン入れした線画を、スキャンして使用する場合、ゴミ取りや線の修正を行ったあとに主線をレイヤー化以降の作業を行うと良いです。ただしPainter12は、TWAIN入力のサポートが廃止されたため、スキャン自体は他のソフトで行う必要があります。Painter12ではスキャンできません。
関連エントリ
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◆Painter12で下書きからペン入れの方法[7/7]【主線のレイヤー化(線画の抽出)】