Painterでは、ブラシサイズ200などの巨大な値で描くと動作が遅く(重く)なります。
これはPainterだけの問題ではなく、PhotoshopやSAIでも同じです。小さなブラシサイズで描く場合と、大きなブラシサイズで描く場合とでは、後者の方が動作が重いのが一般的です。
では「その閾値がどこになるのか」と言うのは、実際の所インストールしているPCの性能によるので、「ここだ」と一概には言えません。
また、その時描いているキャンバスサイズの大きさ(ピクセル数)にも大きく影響されます。
従って、これから説明する設定項目の最適値については、ご自身でチューニングしながら見つけ出す必要があります。
同時に以下の記事と併せてPainterの環境設定を行うことをお勧めします。
参考→Improving Performance of Custom Brushes in Painter 12
(ブログ Chris' Brush Blog より)
描点の種類を把握する
Painterのブラシバリアントの性質を知るために、ブラシコントロールパネルの「一般」にある「描点の種類」を知る必要があります(図1-1)。メニュー→ウィンドウ→ブラシコントロールパレット→一般をクリック。
〈図1-1 描点の種類〉
描点の種類が「円形」「取り込み」「ブリスル」「消しゴム」の場合は、『間隔値を最適化する』を参考にしてください。
描点の種類が「キャメルヘアー」「フラット」「○○キャメルヘアー」「○○フラット」「レンダー」の場合は、『ブースト値を最適化する』と『ブラシ毛の密度を最適化する』を参考にしてください。
描点の種類が「パレットナイフ」「ブリスルスプレー」「エアブラシ」「○○パレットナイフ」「○○ブリスルスプレー」の場合は『ブラシ毛の密度を最適化する』を参考にしてください。
〈表1 描点の種類と対応表 〉
描点の種類 | 対応方法 |
---|---|
円形 | 間隔値を最適化する |
取り込み | |
ブリスル | |
消しゴム | |
キャメルヘアー | ブースト値を最適化する ブラシ毛の密度を最適化する |
フラット | |
○○キャメルヘアー | |
○○フラット | |
レンダー | |
パレットナイフ | ブラシ毛の密度を最適化する |
ブリスルスプレー | |
エアブラシ | |
○○パレットナイフ | |
○○ブリスルスプレー |
1. 間隔値を最適化する
メニュー→ウィンドウ→ブラシコントロールパレット→間隔をクリック。〈図1-2 間隔パネル〉
ブラシサイズによって最小間隔(図2の赤い四角で囲んだ部分。単位はピクセル)の値を変えて描画を高速化します。
ブラシサイズが10で、最小間隔を20(pix)にすれば、点描(ドット)が描かれるだけです(図1-3のブラシサイズ10)。
しかしブラシサイズが200の場合は最小間隔が20でも、ブラシサイズの1/10の距離間隔なので間のあいたドット描写にならず十分描画に耐えられます(図1-3のブラシサイズ200)。
ブラシサイズを巨大にした場合は、最小間隔を空けて描画処理の中抜きをして高速化するという訳です。
〈図1-3 ブラシサイズ10と200での描画結果〉
(ブラシサイズ200の描画結果については見やすく表示するために縮小してます)
また同様に、描画結果が点描にならない程度に間隔(図の青い四角で囲んだ部分)の値を大きくします。
この場合も、描画速度が向上するのですが、描画の中抜きをした結果、不透明度が下がり薄く描画されます。
なので、間隔の値を大きくした場合は、それに併せて不透明度を高くして描くようにしてください(図1-4の赤いマルで囲んだ部分)
〈図1-4 ブラシの不透明度〉
この改善策が有効になる代表的なブラシバリアントは、ティントカテゴリの標準丸筆やパステルカテゴリのオイルパステル等です。
〈図1-5 間隔の設定が有効になるブラシバリアント〉
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