ラフを描く
(1) 新規キャンバスの作成。
メニューのファイル→新規を実行。好きなキャンバスサイズを入力してOKボタンを押下。ここでは幅1800 ピクセル、高さ3200ピクセル、解像度150、ペーパーカラー白、テクスチャはベーシックペーパーを選択してます(図2-1)。
〈図2-1 新規ファイルダイアログ〉
(図2-1の画面で設定する「解像度」についての詳しい説明は「Painterの解像度について」を参考のこと)
(2) 描画ブラシの選択
好きな色を選択し、ブラシセレクタ(図2-2)のペンと鉛筆カテゴリの「スクラッチボード」を選択。〈図2-2 ブラシセレクタのスクラッチボード画面〉
キャンバス上に思うままに落書きします。
このブラシは、ペンタブレットで軽く描くと薄い線が、力を入れて描くと濃い線が出るはずです。
ここで筆圧がいまいちだなと思ったら、前述の下準備作業をもう一度行ってください。特に思い通りの「入り」や「抜き」ができるためには、ブラシトラッキング機能の調節が重要です。
場合によっては、タブレットドライバの設定を標準に戻した上で改めて、ブラシトラッキングの設定をしてもいいと思います。
補足1 ブラシの較正機能での方法
各ブラシ毎に、筆圧や描画スピード反応の調整をし保存したい場合は、「ブラシの較正」を使ってください。前述のブラシトラッキングと同様のやり方で調整できます(1) メニュー→ウィンドウ→ブラシコントロールパネル→ブラシの較正をクリック。
(2) ブラシの較正パネルにある「ブラシの較正を有効にする」のチェックボックスをオンにする(図2-3の赤いマルで囲んだ部分)。
〈図2-3 ブラシの較正パネル画面〉
(3) ブラシの較正パネルにあるブラシ較正設定 ボタン(図2-3の青い丸で囲んだ部分)をクリック。
(4) ブラシトラッキング上(図2-4)で試し書き。
〈図2-4 ブラシのトラッキング画面〉
この時、「現在のブラシバリアントへの適用」はチェック状態になっています(図2-4の赤い丸で囲んだ部分)。
(5) OKボタン押下。
(2) ブラシの較正パネルにある「ブラシの較正を有効にする」のチェックボックスをオンにする(図2-3の赤いマルで囲んだ部分)。
〈図2-3 ブラシの較正パネル画面〉
(3) ブラシの較正パネルにあるブラシ較正設定 ボタン(図2-3の青い丸で囲んだ部分)をクリック。
(4) ブラシトラッキング上(図2-4)で試し書き。
〈図2-4 ブラシのトラッキング画面〉
この時、「現在のブラシバリアントへの適用」はチェック状態になっています(図2-4の赤い丸で囲んだ部分)。
(5) OKボタン押下。
補足2 ブラシ較正と環境設定のブラシトラッキング
ブラシの較正機能で調整された筆圧などは、環境設定のブラシトラッキングで設定した値を上書きします。つまり、ブラシの較正機能が有効な場合は、こちらの値が優先され、無効の場合は、ブラシトラッキングの設定が使われます。
補足3 ブラシトラッキングのバリアント適用
環境設定から呼び出したブラシトラッキング([1/7]参照)でも、「現在のブラシバリアントへの適用」をチェックすれば、その際に選択されているブラシバリアントに、筆圧や描画スピード反応が適用されるようになりました。Painterのブラシは、必ず上記の「スクラッチボード」でなければいけない訳ではありません。他にもシンプルカテゴリの「鉛筆(2B)」(図2-5)、ペンと鉛筆カテゴリの「シャープペンシル」(図2-6)などを利用しても描きやすいと思います。
〈図2-5 シンプルカテゴリの鉛筆(2B)〉
〈図2-6ペンと鉛筆カテゴリのシャープペンシル〉
補足3
上記のスクラッチボードや鉛筆(2B)で描いていて、Painter2016の動作が重いならば、メニュー→ウィンドウ→ブラシコントロールパネル→一般をクリックし、このパネルにある「マルチコア」のチェックを必ず外すようにしてください(図2-7の赤い丸で囲んだ部分)。〈図2-7 ブラシコントロールパネルの一般画面〉
各々ブラシバリアントや各PCの環境によるので一概に言えませんが、上記に列挙したブラシバリアントについては、マルチコアのチェックを外した方が良いです。
→参考:Painter12の快適なマルチコア設定について
(3) ラフ描き
ここではわかりやすいようにマンガーニーズブルーで描きました。使用したブラシは、不透明度50%に変更したスクラッチボード(図2-8)です。〈図2-8 ラフサンプル画面〉
描いた線を消す場合は、ツールバーにある消しゴムツール(図2-9の赤い丸で囲んだ部分)で消してください。
〈図2-9 消しゴムツール〉
ブラシセレクタ(図2-2)の消しゴムカテゴリの中から「全てのハードエッジを消去」や「全てのソフトエッジを消去」ブラシあたりを、サイズを変えながら使っても良いです。
上記に挙げた消しゴムツールと、消しゴムブラシバリアントは内部的には同じ処理を行うものです。(特殊レイヤーである水彩レイヤーであろうが、リキッドインクレイヤーであろうが、レイヤー種類を無視して消す機能)
消しゴムカテゴリの「ブロック消しゴム」は、古くからある通常レイヤーに描画された内容のみを消すブラシバリアントです。
Painterの機能上、数種の消しゴムがあるのですが、経験上、利便性を重視したいならば前者の消しゴムツールや「全ての~」を、Painter動作の安定性を重視したいならば後者の消しゴムブラシを使うことをお奨めします。
補足4 消しゴムの種類
Painterには、レイヤー種類毎に専用の消しゴム機能を持ったブラシバリアントがあります(従来のもの)。消しゴムツールや「全ての~」のブラシバリアントは、レイヤー種別に関わらず消すという機能のものです。→参考:Painterでのレイヤーの種類について[1/3] [2/3][3/3]
一気に全消ししたい場合は、メニュー→選択範囲→全て選択(またはショートカットコマンドCtrl + a)のあと、メニュー→編集→消去(またはBackspaceキー押下)で、実現できます。
(描画内容の全消しコマンドはありません。)
(4) ファイル保存
きりがいいので、一旦ここでRIFでファイル保存します。RIFとは、Painterの独自の保存形式です。通常、Painterの作業中にファイル保存する場合は、このRIF形式で保存します。
今後、特に「保存する」ということをいちいち書きません。
便宜、きりの良いところでこまめに保存してください。
特に連番保存オススメ。メニュー→ファイル→連番保存で実行できます。
Painterでは、「保存」こそ最も重要です。
カスタムパレットの設定
ブラシセレクタ(図2-2)から、いちいちブラシを選択するのは面倒なので、よく使うブラシや消しゴムブラシをまとめてカスタムパレットに登録しておきます。カスタムパレットの作り方
(1)ブラシセレクタのブラシアイコンを、Shiftキーを押しながらドラッグ&ドロップ。すると、自動で新しいカスタムパレットが作成されます(図2-10、図2-11)。
〈図2-10 カスタムパレット作成〉
〈図2-11 新規作成されたカスタムパレット〉
一つのカスタムパレットには、複数のブラシやコマンドを登録できます。
追加する場合には、追加したいカスタムパレット上に、ブラシアイコンを同様にShiftキーを押しながらドラッグ&ドロップします。
また、カスタムパレット自体を複数作ることができます。
その際は、先に作ったカスタムパレット以外の場所に、ブラシアイコンをShiftキーを押しながらドラッグ&ドロップします。複数作ったカスタムパレットは、タブパネルを一つにまとめることもできます(図2-12)。
〈図2-12 パネルをまとめたカスタムパレット〉
カスタムパレットの名称変更
カスタムパレットの名前は、標準で「カスタムパレット1」や「カスタムパレット2」などと名前が付いていますが、オーガナイザで変更可能です(図2-12)。(1) メニュー→ウィンドウ→カスタムパレット→オーガナイザをクリック。
オーガナイザダイアログで、変更したいカスタムパレットを選択した後、名前変更ボタン(図2-13の赤いマルで囲んだ部分)で変更できます。
〈図2-13 カスタムパレットのオーガナイザ画面〉
また、作成したカスタムパレット自体の削除も、オーガナイザ上の削除ボタンで行います。
カスタムパレットのアイコン変更
カスタムパレットのアイコン画像は、標準で図2-11のようなワイドアイコンです。これを従来のような正方形のアイコンに変えるには、変えたいアイコン上で右クリックをし、カスタムパレットアイコンのコンテキストメニューから「アイコンの表示」を選択します(図2-14)。
〈図2-14 カスタムパレットアイコンのコンテキストメニュー〉
このコンテキストメニューから、アイコン画像の変更をしたり、画像を使わないテキストボタンに切り替えたりできます。
従来のような、アイコンにブラシカテゴリの画像を設定する(図2-12)には、メニュー→編集→環境設定→インターフェイス→カスタムパレットのブラシアイコンで「アイコン」を選択、変更してください(図2-15の赤く囲まれた部分)。また、上記の「カスタムアイコンの設定」を使って、画像を差し替えることも可能です。
〈図2-15 カスタムパレットのブラシアイコン設定〉
カスタムパレットアイコンの削除は、アイコンをShiftキーを押しながらカスタムパレット外にドラッグ&ドロップしてください。
→[3/7]に続く
関連エントリ
◇Painter2016で下書きからペン入れの方法[1/7]【下準備作業】
◆Painter2016で下書きからペン入れの方法[2/7]【ラフを描く】【カスタムパレットの設定】
◇Painter2016で下書きからペン入れの方法[3/7]【ラフ修正作業(キャンバスサイズの変更)】【ラフ修正作業(画像の変形)】
◇Painter2016で下書きからペン入れの方法[4/7]【ペン入れ用下準備】
◇Painter2016で下書きからペン入れの方法[5/7]【無地テクスチャの作成】
◇Painter2016で下書きからペン入れの方法[6/7]【ペン入れ】
◇Painter2016で下書きからペン入れの方法[7/7]【主線のレイヤー化(線画の抽出)】