Painterの備忘録的なアレ

Painter 2018 リリース!(2017/06/28)

Painterでのレイヤーの種類について[2/3]

[1/3]からの続きです。

(1) キャンバス

デジタル水彩サンプル
Photoshopの背景とほぼ同じもので、Painterに古くから搭載されている通常のブラシバリアント(ex,ティントカテゴリ(図2-1)、パステルカテゴリ等多数)や、デジタル水彩(図2-2)、リアルウェット油彩(図2-3)等、多くが描画可能なエリアです。

7
〈図2-1 ティントカテゴリ〉
5
〈図2-2 デジタル水彩カテゴリ〉
4
〈図2-3 リアルウェット油彩〉

レイヤー機能との一番の違いは、透明度の概念がないこと。なので、背景全面に、ぺーパーカラーとして選択した色(デフォルトでは白)で塗りつぶされたレイヤーと考えた方が、まずは無難です。
しかし実際は、通常のレイヤーと同じように見えて、細かい所で色々と機能が異なります。
参考:Painterの安全なコピー&ペースト方法(1/2)Painterの安全なコピー&ペースト方法(2/2)

可能であれば、キャンバス1枚のみで描ききってしまう方が(Painterの安定動作的に)最上の選択です。
warning_32q補足1
デジタル水彩でキャンバス上に描画すると、目に見えない(レイヤーパネル一覧に表示されない)デジタル水彩レイヤーがキャンバス上に作られます(図2-4)。

レイヤー挙動説明図2-
〈図2-4 デジタル水彩レイヤー概念図〉

キャンバスで描かれた内容と、デジタル水彩レイヤーで描かれた内容は、当初は混ざらず、デジタル水彩で描画した内容が乗算で表示されます。

しかし、デジタル水彩固有の乾燥を行うと、その時点で、キャンバスに固着し、一体化したとみなされます(図2-5)。

デジタル水彩の乾燥処理概念
〈図2-5 デジタル水彩の乾燥処理概念図〉

すると、乾燥する以前に描かれたデジタル水彩の描画内容は、通常のブラシバリアント(図2-1)で追記できるようになります。

また乾燥を行った時点で、デジタル水彩レイヤーは一旦消滅しますが、デジタル水彩のブラシバリアントで再び描画すると自動的に生成されます。もちろん、これも目に見えません。

(2) レイヤー

CGソフト全般的に言われる所のレイヤー(通常レイヤー)。
ただしPhotoshop的な動作を期待してはいけません。実際は『レイヤーもどき』と言った方が妥当です。

その昔、Photoshopは「レイヤー」方式を、Painterは「フローター」方式を推していましたが、Photoshopのシェア拡大に伴い、実質的に「レイヤー」方式が業界標準となりました。これにより、Painterも「レイヤー」方式に変更しましたが、フローター時代の機能の名残があって『レイヤーもどき』状態になっている、と言った方が正しいです。

キャンバスと同様、通常ブラシバリアントとデジタル水彩、リアルウェット油彩等多くのブラシバリアントが描画可能です。デジタル水彩を乾燥させるとレイヤーに固着する動作も同じです(図2-6)。

レイヤー挙動説明図
〈図2-6 レイヤーでのデジタル水彩の概念図〉

あと、レイヤーマスク機能も持っています。
caution補足2
同一のデジタル水彩バリアントを、キャンバス上に描画した場合と、レイヤーに描画した場合とでは描画結果が異なります。
そのため、同じ描画結果するためには、一手間必要になってきます。Charakoさんのサイトの「6. キャンバスへの描画とレイヤーへの描画の結果」を参考にしてください。

(3) 水彩レイヤー

水彩
水彩カテゴリ(図2-7)とリアル水彩カテゴリ(図2-8)のブラシバリアントのみが描画できる、特殊レイヤーその一。

2
〈図2-7 水彩〉
3
〈図2-8 リアル水彩〉

描画すると合成モードが強制的にフィルターになる特性あり。むしろ、フィルターモード以外で使うことを想定してない模様です。

乾燥の概念を持っていて、乾燥を行うと、それまでの描画内容が水彩レイヤーに固着します。
乾燥後は、新しく描画した内容が、同一レイヤーにもかかわらず乗算で表示されます。が、これは水彩のパラメータの一つ「水分量」で調整できる範囲のことなので、デジタル水彩の様に乾燥するタイミングについてどうするか、厳密に意識しなくても大丈夫です。

確定を実行すると、水彩レイヤーから通常のレイヤーに変換されますが、確定後は通常レイヤーと同様の扱いです。また、PSD形式で保存しても通常レイヤー扱いになります。
確定処理は、レイヤーパネルの水彩レイヤーを右クリックすることで実行可能です(図2-9)。

10
〈図2-9 水彩レイヤーの確定〉

水彩レイヤーもレイヤーマスク機能を搭載していますが、Painterが不安定になるので、使用についてお奨めできません。

[3/3]に続く



関連エントリー
Painterでのレイヤーの種類について[1/3]
◆Painterでのレイヤーの種類について[2/3]
Painterでのレイヤーの種類について[3/3]
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Painterでのレイヤーの種類について[1/3]

Painterには、画材をコンピュータ上で再現するために、膨大な数のブラシバリアントがあります。(ちなみに、一般的なCGソフトでの「ブラシ」に該当するものの事を、Painterでは「ブラシバリアント」と呼んでいます。)

また、これらのブラシバリアントの中には、対応するレイヤー上にしか描けないものもあり、既に他のCGソフト(PhotoshopやSAI等)に慣れていると、こういったブラシバリアント毎の制限が難しく感じられるようです。

そのため、まずはPainterに搭載されているレイヤーの種類を知ることで、Painterの全体像をとらえようと思います。


レイヤー解説図
〈図1-1 PainterとPhotoshopに搭載されているレイヤー種類〉

上図の左側がPainterのレイヤー種類、同じく図の右側が比較のためのPhotoshopのレイヤー種類です。

(1) キャンバス
(2) レイヤー
(3) 水彩レイヤー
(4) リキッドインクレイヤー
(5) シェイプレイヤー
(6) ダイナミックレイヤー

このようにPainterには全部で6種のレイヤー機能があります。
この内、PhotoshopのPSDファイルにして保存し、Photoshop側で正確に読み込めるのは、(1) キャンバスと(2) レイヤーのみです。その他のレイヤー群はPainter独自のレイヤー機能になっています。

以下に、これらのレイヤーについて説明します。

[2/3]へ続く


関連エントリー
◆Painterでのレイヤーの種類について[1/3]
Painterでのレイヤーの種類について[2/3]
Painterでのレイヤーの種類について[3/3]
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Painterの安全なコピー&ペースト方法(2/2)

この記事は、Painter11 を含む古いバージョンで有効です

Painterの安全なコピー&ペースト方法(1/2)の続きです。

Painterは、キャンバスとレイヤーは種類の異なるものとして内部で扱っているので、コピー方法が同じではありません。
以下はキャンバスに描かれた内容を、レイヤーにコピーする手段です。

キャンバスからレイヤーにコピーする方法

前提として、上位レイヤーには主線を、キャンバスには着色がされたレイヤー構成になっている(図2-1)とします。

painter6
〈図2-1 レイヤー構成〉
(その1)クローンコピーによるキャンバスの複製
(1-1) 新規レイヤーを作成(図2-2)。

painter10
〈図2-2 新規レイヤー作製〉

レイヤー作製のより詳細な方法は、『Painterで下書きからペン入れの方法[4/4]』の図29を参考にしてください。


(1-2) メニュー→ファイル→クローンソースで、現在開いているファイル名を指定する(図2-3)。

painter7
〈図2-3 クローンソース設定方法〉

今回は『ポニー.RIF』というファイルで保存していたので、これを選択します。


(1-3) (1-1)で作成した新規レイヤー「レイヤー1」を選択状態にし(図2-2の状態)、メニュー→編集→塗潰し(または、Ctrl+F)を実行。
Ver.9.5の場合、メニュー→効果→塗潰しを実行。

すると、塗潰しダイアログ(図2-4)が出るので、「塗潰し方法」にクローンソースを選択し(図2-4の赤い丸で囲んだ部分)、OKボタンを押下。

painter8
〈図2-4 塗潰しダイアログ〉

「レイヤー1」にキャンバスの内容がまるごとコピーされた状態になります(図2-5)。

painter11
〈図2-5 キャンバスの内容がレイヤーにコピーされた状態〉

レイヤーと違って、キャンバスは透明度の概念がないので、色を塗っていないペーパーカラー部分もその色としてコピーされます(この作例の場合では余白の部分)。
warning_32q補足1
(1-2)のクローンソースを指定する手順を行わないと、塗潰しダイアログの選択肢に「クローンソース」が出現しません
通常では、この部分に「パターン」が表示されます(図2-6の赤い丸で囲んだ部分)ので、注意してください。

painter9
〈図2-6 通常の塗潰しダイアログ表示〉
warning_32q補足2
キャンバスにデジタル水彩で描いた場合、未乾燥部分はクローンコピーできません。一旦乾燥コマンドを実行した後、描画内容をクローンコピーしてください


(その2)クローンコピーによる結合画像の複製
(2-1) 新規レイヤーを作成(図2-2)。

(2-2) メニュー→ファイル→クローンを実行し、現在表示されている画像レイヤーが統合された新規RIFファイル(以降、クローンファイルと呼称)を作製する(図2-7)。
painter13
〈図2-7 レイヤーを統合したクローンファイル〉

図のように、作製されたクローンファイルには、元ファイルの名前の頭に『クローン:』が付いたファイル名になっています。(図2-7の赤い丸で囲んだ部分)。
この作例の場合は、クローンファイルの名前が『クローン:ポニー.RIF』になっています。

(2-3) メニュー→ファイル→クローンソースで、(2-2)で作製したクローンファイルを指定する(図2-8)。

painter14
〈図2-8クローンファイルをクローンソースに設定〉

(2-4) (2-1)で作成した新規レイヤー「レイヤー1」を選択状態にし(図2-2の状態)、メニュー→編集→塗潰し(または、Ctrl+F)を実行。
Ver.9.5の場合、メニュー→効果→塗潰しを実行。

すると(1-3)の時と同様に、塗潰しダイアログ(図2-4)が出るので、「塗潰し方法」にクローンソースを選択し(図2-4の赤い丸で囲んだ部分)、OKボタンを押下。

「レイヤー1」にクローンファイルのキャンバスの内容(結合された画像内容)が、まるごと元ファイルのレイヤーに(RIFファイルを越えて)コピーされた状態になります(図2-9)。

painter16
〈図2-9 クローンファイルのキャンバスの内容がコピーされる〉

この際も、やはり色を塗っていないペーパーカラー部分もその色としてコピーされます(この絵の場合では余白の部分)。

この方法は、多数のレイヤーを1枚のレイヤーにまとめる最も安全な操作です。

統合させたいレイヤー群をレイヤーグループに入れ、そのレイヤーグループを複製し、グループ結合でもいいのですが、Painterは大きな画像サイズで多数のレイヤーがあるとメモリを消費し動作が不安定になりやすいです。
また以前も指摘した、レイヤー結合時の表示の問題もあるので(参考→『レイヤー結合の問題と対処法』)、出来ればこちらの統合方法をお勧めします。

欠点としては、レイヤーの透明度が無視されるので背景が透明なレイヤー統合画像が欲しい際には利用しづらいということです。
(ColorTalk機能で、レイヤーの白い部分を透明にする後処理を行うという奥の手もあるにはありますが)
warning_32q補足3 キャンバスからレイヤーに移す場合について
キャンバスの画像内容をレイヤーに移す場合は、『Painterで下書きからペン入れの方法[3/4]』のペン入れ用下準備(1)を参考にしてください。

違いは、キャンバス上に画像内容が残っているかどうかだけです。

「キャンバスからレイヤーにコピーする方法」はキャンバスに画像が残り、ペン入れ用下準備(1)の方は画像が残りません。
warning_32q補足4 「結合部分をコピー」機能について
Ver.11で搭載された結合部分のコピー機能(メニュー→編集→結合部分をコピー)は、選択された部分内の、画像が統合された状態でコピー&新規レイヤーにペースト出来る機能です。

しかし、この機能もクリップボードエリア(=メモリの領域)を利用した機能ですので、大きい選択範囲や、何回も連続で使うと上手く動作しない時があります。
また不具合も確認したので、あまりお勧めするほど便利な機能になっていません。少し使ったりする分には便利な機能です。


関連エントリー
Painterのコピー&ペースト対策(1/2)
◆Painterのコピー&ペースト対策(2/2)
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