Painterの備忘録的なアレ

Painter 2018 リリース!(2017/06/28)

Painterでのクリッピングマスク的な塗り方[2/2]

[1/2]からの続きです。

とりあえず、肌の部分をパーツ分けした下地レイヤーを作成しましたが、これから先の作業は、選択範囲を
(その1) チャンネルに保存する方法
(その2) 下地レイヤーそのままで利用する方法
の2つに大きく分かれます。

本来ならば髪、服、装飾品と各部分の下地レイヤーを同様に延々と作っていくわけですが、今回はクリッピングマスク的処理の説明なので、先の着彩作業に進みます。

(その1) 下地レイヤーの選択範囲をチャンネルに保存する方法

(1-1) チャンネルに保存
下地レイヤーの選択範囲をチャンネルに保存します。

(1-1-1)レイヤー「肌ベース」の選択範囲を取る。
レイヤーパレットの「肌ベース」レイヤーをCtrl+クリックします(Ver.11のみ)(図2-1)。
レイヤーの選択範囲を取る
〈図2-1 レイヤーの選択範囲を取る〉

すると、塗った部分が選択状態になっているのを確認します(図2-2)。
選択状態
〈図2-2 選択状態〉
warning_32q補足
選択範囲の取り方はPainterのバージョンによって操作がことなります。
Ver.12以上の新しいPainterでは、レイヤーパレットのレイヤーサムネイル(画像縮小表示部分)をCtrl+クリックしてください。

Ver.10以前の人は、レイヤーを右クリックして出るコンテキストメニューの「レイヤーの透明度を選択」を実行し、選択範囲を取ってください。(参照→便利な「グループコンテンツの選択」機能 の図4)



(1-1-2)選択範囲の保存。
選択された状態のまま、メニュー→選択→選択範囲の保存を実行。
もしくはメニュー→ウィンドウ→チャンネルでチャンネルパレット(図2-3)を表示し、チャンネル保存ボタン(図2-3の赤い丸で囲んだ部分)を押下。
チャンネルパレット
〈図2-3 チャンネルパレット〉

チャンネル属性ダイアログ(図2-4)が出るので、名前を「肌」に変更し、OKボタンを押下。
チャンネルパレットの最後に、肌チャンネルが追加された事を確認する(図2-5の赤い丸で囲んだ部分)
チャンネル属性画面
〈図2-4 チャンネル属性画面〉
肌チャンネルが追加されたパレット
〈図2-5 肌チャンネルが追加されたパレット〉



(1-1-3)チャンネルを反転し保存。
チャンネルパレットで、「肌」を選択し、反転ボタン(図2-3の青い丸で囲んだ部分)を押下。

そして、「肌」チャンネルの目のアイコンを閉じて表示内容が見えない様にし、チャンネルパレットでは「RGB」を選択してください。
でないと、マスクがかかった見にくい色で表示されます(図2-6)。
PainterImage217
〈図2-6 マスクが表示された状態〉
(図2-6はマスクの色を、標準の赤色から紫色に変更して表示)

チャンネルを使用する場合、ここまでが下準備です。
(1-2) 着彩
まずは、初心者にも使いやすい個人的お薦めブラシを列挙します。
塗り
オイルパステル〈図2-7 オイルパステルカテゴリのオイルパステル〉
標準丸筆
〈図2-8 ティントカテゴリの標準丸筆〉

無地テクスチャを選択してこれらを使うと、CGらしい癖のない滑らかな塗りができます。
無地テクスチャの使い方は、Painterで下書きからペン入れの方法[3/4] の「無地テクスチャの作成」を参照してください。
ぼかし
水滴
〈図2-9 ブレンドカテゴリの水滴〉
オイルブレンド20〈図2-10 ブレンドカテゴリのオイルブレンド20〉
ソフナー
〈図2-11 ティントカテゴリのソフナー〉

オイルブレンド20は、Photoshopの指先ツール、ソフナーは同ぼかしツールの様なものです。

また、これら5つのブラシはレイヤーの透明度に対応していません
筆圧が低い状態で描くと、PhotoshopやSAIのように半透明にならずに、白くなります(図2-12)。
描き始めが白くなった状態
〈図2-12 描き始めが白くなった状態〉

ぼかしとして挙げたブラシバリアントも、レイヤー透明な部分に描くと白く描写されます。

これらの従来から搭載されているブラシでの現象を改善し、ぜひ透明度に対応していただきたいと切にコーレルに願うばかりです。



(1-2-1)レイヤーで色を塗る。
レイヤーパレットに移動し、肌の部分の色塗りを行います。
自由に着彩してください。この部分は手順などは特にありません。

着彩するのは「肌ベース」レイヤーでも新規レイヤーでも構いません。
新規レイヤーの場合、上図2-12の様な現象を回避するために、レイヤーパレットの「下の色を拾う」チェックボックスをオンにしておくと、下位レイヤーの色と混色されて塗れます。(図2-13)。
PainterImage33-1
〈図2-13 下位レイヤーの色の影響を受ける状態〉

残念ながらPainterでは、Photoshopの様にレイヤーの独立性を保持する塗り方というのは、あまり意味がありません。

今回は新規レイヤーは作らず、「肌ベース」に直接塗りました(図2-14)。
はみ出しなどは全く気にしません。
肌の部分が塗り終わった状態
〈図2-14 肌の部分が塗り終わった状態(部分)〉
(1-3) はみ出した部分を削除
不必要な部分を削除します。

(1-3-1)チャンネルの読み込み。
メニュー→選択→選択範囲の読み込みを実行。
もしくは、チャンネルパレットの読み込みボタンを押下(図2-15の赤い丸で囲んだ部分)か、ショートカットCtrl+Shift+G。
チャンネルパレット
〈図2-15 チャンネルパレット〉

選択範囲の読み込み画面(図2-16)の、使用チャンネルプルダウンリストで「肌」を選択、OKボタンを押下。
選択範囲の読み込み画面〈図2-16 選択範囲の読み込み画面〉

肌以外の領域が選択された状態になりました(図2-17)
PainterImage227
〈図2-17 領域外が選択された状態(部分拡大)〉



(1-3-2)選択範囲内を削除。
メニュー→編集→消去(もしくはBackspace)を実行。
はみ出した部分が削除されました(図2-18)。
はみ出した部分が削除された状態(部分拡大)
〈図2-18 はみ出した部分が削除された状態(部分拡大)〉

(その2) 下地レイヤーそのままで利用する方法

作業の流れは、チャンネルを利用する方法と同じです。
チャンネルに保存する代わりに、下地レイヤーそれ自体を、選択範囲の元として使用します。
(2-1) 着彩
基本的には上記(1-2)の内容と同じです。
しかし、肌ベースレイヤーに(はみ出しを気にせず)直接塗ってはいけません。下地レイヤーの上に必ず新規レイヤーを作成し、それを塗る様にしてください

必要ならば、レイヤーパレットの「下の色を拾う」をチェックし(図2-13)、下地レイヤーで塗った色と混色しながら塗ると良いと思います。

この手段で注意すべきは「下地レイヤーそれ自体の着色した領域を変えてはいけない」と言うことです。


どうしても下地レイヤー自体に塗りたい場合は、必ずレイヤーパレットの「透明度ロック」チェックボックスをオンにしてください。

ただ透明度ロック状態では、透明度ロック状態でぼかすと黒が混ざることへの対処法でも書いた、黒が混じるという現象がおきますので注意が必要です。
なので、直接下地レイヤーに塗るというやり方は、個人的には、お薦めしません。

(2-2) はみ出した部分を削除
はみ出したレイヤーが全くない場合は、この作業を無視してください。

(2-2-1)レイヤー「肌ベース」の選択範囲を取る。
(1-1-1)の作業と同じです。肌の領域が選択され、上図2-2と同じ状態になります。

(2-2-2)選択範囲の反転。
メニュー→選択→選択範囲の反転(またはCtrl+I)を実行。

(2-2-3)選択範囲内を削除。
メニュー→編集→消去(またはBackspace)を実行。
はみ出した部分が削除され、上図2-18と同じ状態になります。



クリッピングマスク的な塗り方の補足情報に続く



関連エントリー
Painterでのクリッピングマスク的な塗り方[1/2]
◆Painterでのクリッピングマスク的な塗り方[2/2]
クリッピングマスク的な塗り方の補足情報

便利な「グループコンテンツの選択」機能

この作例は、ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)に基づいて、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター「初音ミク」を描いたものです
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Painterでのクリッピングマスク的な塗り方[1/2]

Painterにはクリッピングマスク機能がありません。

コミック系イラストでクリッピングマスク機能を利用するには、「下地レイヤーを作成し、はみ出しを気にせず塗り込む」という作業を行います。
なのでPainterで、同様の作業量同じ効果を出す手順を示します。

要旨としては、チャンネル(マスク)を使った着色下地の作り方[2/3] の「チャンネルの応用」と同じですが、これを作業手順にまで落とし、詳しく書いたものです。
warning_32q補足
クリッピングマスク機能とは、「下位レイヤーAに描写された部分しか、上位レイヤーBでも表示がされない」(=レイヤーAに描かれていない部分はレイヤーBでもマスクされ隠れてしまう)機能のことです(図1-1、図1-2)。
クリッピングマスク前(Photoshop画像)
〈図1-1 クリッピングマスク実行前〉
クリッピングマスク後(Photoshop画像)
〈図1-2 クリッピングマスク実行後〉

この機能は、PhotoshopやSAIなどに搭載されています。

下地レイヤー作成用の塗りブラシを作る

Painterに標準搭載されているペンカテゴリの「べた塗り」ブラシ(図1-3)は、ブラシサイズが一定なため、微妙に不自由に感じることがあります(図1-4のa)。
ペンカテゴリのべた塗りブラシ
〈図1-3 ペンカテゴリのべた塗りブラシ〉

なので、ペンの筆圧に反応してブラシサイズが変わる「べた塗り」ブラシを別個作ります。
イメージとしては、「漫画を描く時にベタ用に使う筆ペン」に近い感覚のブラシバリアントです(図1-4のb)。
べた塗りブラシと改造したべた塗りブラシの筆致差
〈図1-4 べた塗りブラシ(a)と改造したべた塗りブラシ(b)の筆致差〉


まず、PainterでSAI風の鉛筆ブラシを作る方法の、「ブラシのバックアップコピー」を参照して、「べた塗り」ブラシバリアントのバックアップコピーを作成します。
名前は、好きなようにつけてください。ここではとりあえず、「下地べた塗り」としておきます。

作った「下地べた塗り」ブラシバリアントのブラシパラメータの各項目を、下図1-5の様に変更します。
サイズと間隔パレット
〈図1-5 サイズと間隔パレット〉

【サイズ】
最少サイズ:0%
表現設定:筆圧
サイズ刻み:1%

【間隔】
キュービック補間:5

ブラシパラメータ変更後は、ブラシカテゴリのメニュー画面で、「バリアントの保存」を実行し、値を保存してください。

これで、下地レイヤーを作成するためのブラシの準備が整いました。

下地レイヤーを作る

今回、肌の部分の下地レイヤーを作成します。

(1) 主線とキャンバスの間に新規レイヤーを作成し、名前を分かりやすい様に変更。
今回は「肌ベース」にしました(図1-6)。
レイヤーパレットの状況
〈図1-6 レイヤーパレットの状況〉

また今回の様に手で塗る場合、作業注意点が2つあります。

(その1) キャンバスを白以外の色で塗り潰す。
これは塗り残しがあっても分かるようにするためなので、下地レイヤー(ここでは「肌ベース」)に塗る色との差が分かりやすい色であれば何色でも構いません。作例の様なやや暗い緑(中間色)がお薦めです。

(その2) 主線レイヤーの合成方法を「乗算」に変更。
線の太さ部分の塗り忘れをなくすために行います。なので、これは下地レイヤー作成中だけで結構です。

(2) 下地べた塗りブラシで下地部分となる領域を丁寧に囲むように塗る(図1-7)
下地レイヤーの状況(部分)
〈図1-7 下地レイヤーの状況(部分)〉

(3) (2)で囲んだ部分を、ツールボックスのバケツツール(図1-8の赤い丸で囲んだ部分)で塗り潰す(図1-9) 。
ツールボックスのバケツツール〈図1-8 ツールボックスのバケツツール〉
PainterImage5
〈図1-9 塗り潰し(部分)〉

同様に、腕・足などの該当部分をブラシで塗り囲んだ後、塗り潰します。
小さい部分こみ入った複雑な部分は、バケツツールを使わずブラシで塗った方が早いです(図1-10、図1-11)。
塗り潰し(全体、作業途中)
〈図1-10 塗り潰し(全体、作業途中)〉
PainterImage27
〈図1-11 塗り潰し(全体、作業完了)〉

下地レイヤーについては、今までにも、選択範囲と着色下地の作り方[1/2][2/2]で作り方を説明しました。作例では、手で塗る方法で作成しますが、勿論、選択範囲と着色下地の作り方で作られても構いません。

ご自身が楽な(慣れている)方で作成してください。絵柄や、塗り分けようとする領域の大きさや形の複雑さによって、使い分けると良いです。


[2/2]に続く


関連エントリー
◆Painterでのクリッピングマスク的な塗り方[1/2]
Painterでのクリッピングマスク的な塗り方[2/2]
クリッピングマスク的な塗り方の補足情報
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