ラフを元に、さらに修正をしていきます。
ラフ修正作業(キャンバスサイズの変更)
アナログ作業では、絵を描いている途中で、紙が足りなくなったり逆に余ったりする場合がよくありますが、デジタル作業の場合、こういった時に簡単に紙(=キャンバス)を足せたり、逆に削ったりできるのが利点の一つだと思います。以下にキャンバスの広げ方、切り取り方(トリミング)を示します。
キャンバスの広げ方
(1)メニュー→キャンバス→キャンバスサイズを実行。(2)サイズ調整エリアに数値を入力し、OKボタンを押下。
ここでは「左までのピクセル数」に400、「右までのピクセル数」に400を入力しました(図3-1)

〈図3-1 キャンバスサイズ画面〉
左右にそれぞれ400ピクセルずつ余白が増えました(図3-2)。

〈図3-2 キャンバスサイズ変更結果〉
上下のキャンバスサイズを広げたい場合は、「上に追加」「下に追加」にそれぞれ数値を入力してください。
キャンバスのトリミング
(1)ツールボックスのクロップツール(図3-3の赤い丸で囲んだ部分)を押下。
〈図3-3 ツールボックスのクロップツール〉
(2)キャンバス内で好きな部分を囲み(図3-4)、クロップの確定を押下(図3-5)

〈図3-4 クロップツールで選択した状態〉

〈図3-5 クロップの確定〉
選択した範囲に、切り抜かれました((図3-6)。

〈図3-6 トリミング結果画面〉
また、上記『キャンバスの広げ方』で利用した、キャンバスサイズ機能(図3-1)で、マイナスの値を入力してもキャンバスが狭くなります。
自由度が高いトリミングができるのはクロップツールですが、厳密なピクセル数を元にトリミングするには、キャンバスサイズ機能を使った方が良いと思います。
ラフ修正作業(画像の変形)
画面上のバランスや、構図としていまいちだなと思う時は、変形ツールを活用し、描いた絵を拡大/縮小や画像回転して、色々と試してみます。拡大/縮小変形の方法
(1)メニュー→編集→変形→拡大/縮小をクリック。キャンバス全体を囲むようにアンカーポイントが表示され、中央にダイアログ(図3-7)が出ます。

〈図3-7 拡大/縮小ダイアログ〉
既に、拡大または縮小する数値が決まっている場合は、図3-7のダイアログの入力項目に入力し、OKボタン(図3-7の赤い丸で囲んだ部分)を押下してください。
画面を見ながら、任意の変形を行いたい場合は入力項目を触らず、そのままOKボタン(図3-7の赤い丸で囲んだ部分)を押下してください。
以降、アンカーポイントが操作できるようになります。
拡大させたい場合は四隅にある丸いアンカーポイントを、キャンバスの外側に向かってドラッグします(図3-8)。
縮小させたい場合は、同様にキャンバスの中心に向かってドラッグします(図3-8)。
また、縦に伸長する場合は横辺の中央にある四角のアンカーポイントを外側に向かってドラッグし、縦に短縮する場合は、キャンバスの中心に向かってドラッグします(図3-8)。

〈図3-8 丸いアンカーポイントと四角のアンカーポイント〉
横に伸長/短縮する場合は、縦辺の中央にある四角のアンカーポイントの、同様の操作で可能です。
(2)変形の確定をクリック。
プロパティバーにある変形の確定ボタン(図3-9の赤い丸で囲んだ部分)を押下。変形作業を、確定終了します。

〈図3-9 変形の確定ボタン〉
画像回転変形の方法
(1)メニュー→編集→変形→回転をクリック。キャンバス全体を囲むようにアンカーポイントが表示され、中央にダイアログ(図3-10)が出ます。

〈図3-10 回転ダイアログ〉
既に、回転する角度が決まっている場合は、図3-10のダイアログの入力項目角度に入力し、OKボタン(図3-10の赤い丸で囲んだ部分)を押下してください。
通常入力で時計回り、マイナス入力で反時計回りに回転します。
画面を見ながら、任意の変形を行いたい場合は入力項目を触らず、そのままOKボタン(図3-10の赤い丸で囲んだ部分)を押下してください。
以降、アンカーポイントが操作できるようになります。
回転させたい場合は四隅にある丸いアンカーポイントを、回転させたい方向にドラッグします(図3-11)。

〈図3-11 丸いアンカーポイント〉
この操作では、辺中央にある四角のアンカーポイントは使えません。
(2)変形の確定をクリック。
プロパティバーにある変形の確定ボタン(上図3-9の赤い丸で囲んだ部分)を押下。変形作業を、確定終了します。
補足
変形処理は、メモリを大量に使っている操作なので、途中動作が重くなる傾向があります。特に大きい画像を変形させようとする場合、かなりの負荷がかかりますので、念のため、変形操作の前に必ず作業ファイルをRIF保存しましょう。
できれば、一旦Painterを再起動させた後に変形操作を行うと、なお良いです。
そんな色々な修正をして、結果できあがったのがこちらです。画像のバランスを考えて時計方向に回転させたり付け足したりしました。これを下書きとしてペン入れします。

〈図3-12 下書きサンプル画面〉
→[4/7]に続く
関連エントリ
◇Painter2016で下書きからペン入れの方法[1/7]【下準備作業】
◇Painter2016で下書きからペン入れの方法[2/7]【ラフを描く】【カスタムパレットの設定】
◆Painter2016で下書きからペン入れの方法[3/7]【ラフ修正作業(キャンバスサイズの変更)】【ラフ修正作業(画像の変形)】
◇Painter2016で下書きからペン入れの方法[4/7]【ペン入れ用下準備】
◇Painter2016で下書きからペン入れの方法[5/7]【無地テクスチャの作成】
◇Painter2016で下書きからペン入れの方法[6/7]【ペン入れ】
◇Painter2016で下書きからペン入れの方法[7/7]【主線のレイヤー化(線画の抽出)】