この記事は、Painter11 を含む古いバージョンで有効です
Painterの安全なコピー&ペースト方法(1/2)の続きです。
Painterは、キャンバスとレイヤーは種類の異なるものとして内部で扱っているので、コピー方法が同じではありません。
以下はキャンバスに描かれた内容を、レイヤーにコピーする手段です。
キャンバスからレイヤーにコピーする方法
前提として、上位レイヤーには主線を、キャンバスには着色がされたレイヤー構成になっている(図2-1)とします。
〈図2-1 レイヤー構成〉
(その1)クローンコピーによるキャンバスの複製
(1-1) 新規レイヤーを作成(図2-2)。
〈図2-2 新規レイヤー作製〉
レイヤー作製のより詳細な方法は、『Painterで下書きからペン入れの方法[4/4]』の図29を参考にしてください。
(1-2) メニュー→ファイル→クローンソースで、現在開いているファイル名を指定する(図2-3)。

〈図2-3 クローンソース設定方法〉
今回は『ポニー.RIF』というファイルで保存していたので、これを選択します。
(1-3) (1-1)で作成した新規レイヤー「レイヤー1」を選択状態にし(図2-2の状態)、メニュー→編集→塗潰し(または、Ctrl+F)を実行。
Ver.9.5の場合、メニュー→効果→塗潰しを実行。
すると、塗潰しダイアログ(図2-4)が出るので、「塗潰し方法」にクローンソースを選択し(図2-4の赤い丸で囲んだ部分)、OKボタンを押下。

〈図2-4 塗潰しダイアログ〉
「レイヤー1」にキャンバスの内容がまるごとコピーされた状態になります(図2-5)。

〈図2-5 キャンバスの内容がレイヤーにコピーされた状態〉
レイヤーと違って、キャンバスは透明度の概念がないので、色を塗っていないペーパーカラー部分もその色としてコピーされます(この作例の場合では余白の部分)。
補足1
(1-2)のクローンソースを指定する手順を行わないと、塗潰しダイアログの選択肢に「クローンソース」が出現しません。通常では、この部分に「パターン」が表示されます(図2-6の赤い丸で囲んだ部分)ので、注意してください。

〈図2-6 通常の塗潰しダイアログ表示〉
補足2
キャンバスにデジタル水彩で描いた場合、未乾燥部分はクローンコピーできません。一旦乾燥コマンドを実行した後、描画内容をクローンコピーしてください。(その2)クローンコピーによる結合画像の複製
(2-1) 新規レイヤーを作成(図2-2)。(2-2) メニュー→ファイル→クローンを実行し、現在表示されている画像レイヤーが統合された新規RIFファイル(以降、クローンファイルと呼称)を作製する(図2-7)。

〈図2-7 レイヤーを統合したクローンファイル〉
図のように、作製されたクローンファイルには、元ファイルの名前の頭に『クローン:』が付いたファイル名になっています。(図2-7の赤い丸で囲んだ部分)。
この作例の場合は、クローンファイルの名前が『クローン:ポニー.RIF』になっています。
(2-3) メニュー→ファイル→クローンソースで、(2-2)で作製したクローンファイルを指定する(図2-8)。

〈図2-8クローンファイルをクローンソースに設定〉
(2-4) (2-1)で作成した新規レイヤー「レイヤー1」を選択状態にし(図2-2の状態)、メニュー→編集→塗潰し(または、Ctrl+F)を実行。
Ver.9.5の場合、メニュー→効果→塗潰しを実行。
すると(1-3)の時と同様に、塗潰しダイアログ(図2-4)が出るので、「塗潰し方法」にクローンソースを選択し(図2-4の赤い丸で囲んだ部分)、OKボタンを押下。
「レイヤー1」にクローンファイルのキャンバスの内容(結合された画像内容)が、まるごと元ファイルのレイヤーに(RIFファイルを越えて)コピーされた状態になります(図2-9)。

〈図2-9 クローンファイルのキャンバスの内容がコピーされる〉
この際も、やはり色を塗っていないペーパーカラー部分もその色としてコピーされます(この絵の場合では余白の部分)。
この方法は、多数のレイヤーを1枚のレイヤーにまとめる最も安全な操作です。
統合させたいレイヤー群をレイヤーグループに入れ、そのレイヤーグループを複製し、グループ結合でもいいのですが、Painterは大きな画像サイズで多数のレイヤーがあるとメモリを消費し動作が不安定になりやすいです。
また以前も指摘した、レイヤー結合時の表示の問題もあるので(参考→『レイヤー結合の問題と対処法』)、出来ればこちらの統合方法をお勧めします。
欠点としては、レイヤーの透明度が無視されるので背景が透明なレイヤー統合画像が欲しい際には利用しづらいということです。
(ColorTalk機能で、レイヤーの白い部分を透明にする後処理を行うという奥の手もあるにはありますが)
補足3 キャンバスからレイヤーに移す場合について
キャンバスの画像内容をレイヤーに移す場合は、『Painterで下書きからペン入れの方法[3/4]』のペン入れ用下準備(1)を参考にしてください。違いは、キャンバス上に画像内容が残っているかどうかだけです。
「キャンバスからレイヤーにコピーする方法」はキャンバスに画像が残り、ペン入れ用下準備(1)の方は画像が残りません。
補足4 「結合部分をコピー」機能について
Ver.11で搭載された結合部分のコピー機能(メニュー→編集→結合部分をコピー)は、選択された部分内の、画像が統合された状態でコピー&新規レイヤーにペースト出来る機能です。しかし、この機能もクリップボードエリア(=メモリの領域)を利用した機能ですので、大きい選択範囲や、何回も連続で使うと上手く動作しない時があります。
また不具合も確認したので、あまりお勧めするほど便利な機能になっていません。少し使ったりする分には便利な機能です。
関連エントリー
◇Painterのコピー&ペースト対策(1/2)
◆Painterのコピー&ペースト対策(2/2)