[2/3]までで一通りチャンネルを作って修正した訳ですが、今度はこれらを複製し、さらに領域を追加します。
今回のイラストの特性(線の影響が強いコミック系)を考え、キャラクタのシルエットを選択範囲としたチャンネルと、小道具のタンバリン部分のチャンネルを作ることにしました。
このあたり、後の着色作業で「繰り返し使いそうだな」と思う選択範囲を、ある程度まで事前に考えて、準備しておく必要があります。
最初は勝手が分からないと思いますが、何枚も描いていく内に「このくらいのチャンネルが必要だな」というのが予想できるようになってきます。
私の場合は「チャンネルを使わない」絵という所に帰着してしまいましたが。
選択範囲を追加(応用)
キャラクタのシルエット(外周)にあたる選択領域を主線を利用して作ります。(1) 髪チャンネルを複製。
髪チャンネルを選択し、チャンネルパレットの右側にある三角のアイコン(図3-1の赤い丸で囲んだ部分)をクリックし、チャンネルパレットのメニュー画面(図3-2)で、そこで複製をクリック。

〈図3-1 チャンネルパレット上部〉

〈図3-2 チャンネルパレットのメニュー画面〉
または、髪チャンネルを選択状態のまま右クリックしたコンテキストメニュー(図3-3)で複製をクリックします。

〈図3-3 チャンネルのコンテキストメニュー〉
チャンネルの複製というダイアログ(図3-4)がでますので、「保存先」に新規を選び、OKボタンを押下します。

〈図3-4 チャンネルの複製ダイアログ〉
チャンネルパレットに新規複製チャンネル「アルファ2」が増えていることを確認します。
(2) 主線レイヤーを選択し、「透明度ロック」のチェックボックスをオンにして、黒(RGB(0.0.0))で塗り潰し。
この部分の詳細な説明は、Painterで下書きからペン入れの方法[4/4] の(2-5) (2-6) あたりを参考にしてください。
主線の色を変更してなかった人は、この上記作業は無視してください。
何の為にこの作業を行っているのか? というと、シルエットのチャンネルを作るために、モノクロの画像情報が必要だったからです。
主線の色を茶色のままで行うとチャンネルに保存した時に、黒白ではなく灰色の状態で登録されるので、それをを防ぐ意味があります。
(3) 主線レイヤーを選択し、メニュー→選択範囲→自動選択。
自動選択ダイアログの参照元に「画像の明るさ」を選択してOKボタン押下。
主線が選択状態になっていることを確認します。
(4) メニュー→選択→選択範囲の保存を実行。
選択範囲の保存ダイアログ(図3-5)が出てくるので、「保存先」プルダウンでアルファ2を(図3-5の赤い丸で囲んだ部分)、「既存のマスクに追加」のラジオボタンを選択し(図3-5の青い丸で囲んだ部分)、OKボタンを押下。

〈図3-5 選択範囲の保存ダイアログ〉
するとアルファ2チャンネルは、図3-6のような髪チャンネルと線画の選択範囲の合体した画像となります。

〈図3-6 選択範囲の合成されたチャンネル〉
(5)チャンネル名を変更。
アルファ2チャンネルをダブルクリックし、チャンネル属性ダイアログ(図3-7)を出し、チャンネル名を「シルエット」に変更します。

〈図3-7 チャンネル属性ダイアログ〉
チャンネル属性ダイアログは、図3-2や図3-3のコンテキストメニューにもあるので、そこから実行してもかまいません。
(6) 選択色に白を選択し、ツールボックスのバケツツールで線の中身を塗り潰し 。
塗り潰せなかった部分は、ペンカテゴリの塗潰しペンで白で塗っていきます。
かなり地味な作業です。
白抜きされたシルエットチャンネルの様子はこちら(図3-8)

〈図3-8 シルエットチャンネル(完成)〉
上記の作業を手順を替えつつもう1枚、タンバリンの部分のチャンネルも作りました。

〈図3-9 タンバリンチャンネル(完成)〉
これら2つのチャンネルを反転し、ようやく着色の下準備完了です。
お疲れ様でした。
関連エントリー
◇チャンネル(マスク)を使った着色下地の作り方[1/3]
◇チャンネル(マスク)を使った着色下地の作り方[2/3]
◆チャンネル(マスク)を使った着色下地の作り方[3/3]
この作例は、ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)に基づいて、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター「初音ミク」を描いたものです