この記事は、Painter11 を含む古いバージョンで有効です
Painterで下書きからペン入れの方法[4/4]で、Painterでのペン入れのやり方を具体的に述べましたが、これはレイヤーを用いた、ごく標準的な方法でした。
他にも、細かいやり方が幾つかあるのですが、今回はレイヤーを全く用いない方法を述べます。
この方法は、クローン機能とトレーシングペーパー機能を用います。
レイヤー機能を持っていない『PainterClassic』という、Painter5をベースにした廉価版ソフトで大変よく用いられていたものです。
今回は、下書きが完成し、ファイル保存した状態から始めます(図1)。
下書きまでの方法は「Painterで下書きからペン入れの方法[1/4]」、[2/4]、[3/4]とまったく同じです。

〈図1 下書きサンプル〉
(1)メニュー→ファイル→クローン作成を実行。
図1のファイルと全く同じ画像ファイルが作成されます。
このファイルは、元ファイルの名前の頭に『クローン:』が付いたファイル名になっているはずです(図2)。

〈図2 クローンファイル名〉
以降、これを「クローンファイル」と呼びます。
念のため、クローンファイルも保存しておきます。
(2)メニュー→ファイル→クローンソースで、下書き元ファイルにチェックが入っていることを確認します(図3)。

〈図3 クローンソースの確認〉
(3)クローンファイルの方を全消しします。
レイヤーパレットでキャンバスを選択し、メニュー→選択範囲→全て選択(またはショートカットコマンドCtrl + a)のあと、メニュー→編集→消去(またはBackspaceキー押下)
(4)クローンファイル側のトレーシングペーパー機能をオンにする。
メニュー→キャンバス→トレーシングペーパー実行。
または、画面右上のトレーシングペーパーボタン(図4の赤い丸で囲んだ部分)を押下。

〈図4 トレーシングペーパーボタン〉
すると、クローンファイル上に、下書き画像が薄く表示されます(図5)。

〈図5 トレーシングペーパー機能でクローンファイルに表示された下書き〉
これを元にクローンファイル上のキャンバスに、ペンカテゴリのスクラッチボードペン等で、ペン入れしていきます。
トレーシングペーパー機能でペン入れしていると、清書した主線も薄く表示されていますので、トレーシングペーパーを随時、表示したり消したりしたりして、キャンバスに描き込んだ線を確認してください。
(4)のどちらかを実行すれば、トレーシングペーパーの下書き表示のオン/オフを切り替えられます。
また、図4のトレーシングペーパーボタンを長押しすると、トレーシングペーパー表示濃度が%で表示されます(図6)。

〈図6 トレーシングペーパー表示濃度リスト〉
標準では50%が選択されています。
90%を選択すると薄く、10%を選択すると濃く表示されますので、ご自身の好きな濃さで表示してください。
下書きなので、80%程度がお薦めです。
ちなみに、Painter9.1以前のバージョンでは図6の様な表示濃度を選択する機能はなく、一律50%表示でした。
なので、これらのバージョンの場合、50%表示で下書き線が濃かったならば、下書き元ファイルを、選択色「白」で50%程度の不透明度で塗り潰すと、クローンファイルの下書き表示も、それに対応して薄くなり見やすくなります。
塗り潰しは、下書き元ファイル上でメニュー→効果→塗潰しを実行、塗潰し画面(図7)で、「塗潰し方法」に選択色を選択し、不透明度を50%程度に適宜変更し(図7の赤い丸で囲んだ部分)、OKボタンを押します。

〈図7 塗潰し画面〉
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この作例は、ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)に基づいて、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター「初音ミク」を描いたものです