2. ブースト値を最適化する
先述した間隔パネルにあるブースト(図2-1の赤い四角で囲んだ部分)も、基本的には描画速度を上げるためにあり、間隔や最小間隔でチューニングしたものと高速化の考え方が同じです。
〈図2-1 間隔パネル〉
ただブーストの場合は、有効になる描点の種類が、既に書いた様に「キャメルヘアー」「フラット」「○○キャメルヘアー」「○○フラット」「レンダー」というだけです。それ以外では、ブーストの項目がグレイアウトして変更できなくなっています。
これらのブラシバリアントで、ブラシサイズを巨大にした場合に、描画内容を中抜きして演算し、高速化をはかります。
なのでブラシサイズが小さい場合はブースト値を低くしてください。むしろ最小値でかまいません。
ブラシサイズが大きければブースト値を徐々に大きくしていってください。
ただし、ブースト値を大きくしすぎると描画結果が歯抜けの様に変になります。なので、そうならないように見極めながら調整してください。
この改善策が有効になる代表的なブラシバリアントは、アクリルカテゴリの厚塗りアクリル丸筆やグワッシュカテゴリの細目グワッシュ丸筆等です。


〈図2-2 ブーストの設定が有効になるブラシバリアント〉
補足1
ブースト値はVer.9.5で導入されました。それ以前のバージョン(Ver.9.1もVer.9も)では設定箇所自体が存在しません。
補足2
ペン入れに多用されるペンカテゴリのスクラッチボード(レンダー)も、ブースト値を変更できます。しかし描画内容が良くないので、このバリアントで使う場合は、Charakoさんのこの記事を参考にしてください。3. ブラシ毛の密度を最適化する
メニュー→ウィンドウ→ブラシコントロールパレット→サイズをクリック。
〈図2-3 サイズパネル〉
サイズパネルにある密度(図2-3の赤の四角で囲んだ部分)というのは、ブラシバリアントのブラシ毛の密度のことです。
注意しなくてはいけないのが、この値が大きいと毛の密度が低く、値が小さいと毛の密度が高いということです(図2-4)。通常の感覚とは逆なので注意してください。

〈図2-4 ブラシ毛の密度〉
ブラシサイズを大きくした場合の描画の高速化には、密度値を高く(スライダを右に動かす)します。今までと同じ理屈で、この設定値においては、ブラシバリアントの毛の密度を低くし描画の中抜きをする訳です。
逆にブラシサイズが小さい場合は、密度値を小さく(スライダを左に動かす)します。
Painter11を含む古いバージョンでは、手動で密度の設定を行って、描画の高速化を図りましょう。
Painter12では「ブラシにあわせて密度を増減」というオプションがつきました(図2-3の青の四角で囲んだ部分)。
これは上記のブラシ毛の密度の調整を自動で行うものです。通常ではこのオプションは有効に設定されています。特に必要なければ、そのまま有効で問題ないです。
Painter12ではブラシサイズ毎にブラシ毛の密度を細かく設定しなくても良くなりました。
この改善策が有効になる代表的なブラシバリアントは、エアブラシカテゴリの細目スプレーやグワッシュカテゴリの細目グワッシュ丸筆等です。


〈図2-5 密度の設定が有効になるブラシバリアント〉