Painterの備忘録的なアレ

Painter 2018 リリース!(2017/06/28)

Painter2016で下書きからペン入れの方法[6/7]

[5/7]からの続きです。始めから読む方はこちら[1/7]から。

ペン入れ

ここでは、パーツを分けてペン入れします。装飾の多い衣装を描く場合などは特に、各パーツ事に色を分けてペン入れすると便利になることが多いです。
(1)基本部分のペン入れ
(1-1) ブラシセレクタからペンと鉛筆カテゴリの「スクラッチボード」を選択(図6-1)。
ブラシサイズを適宜変更しつつキャンバスにペン入れ。今回、描画色は黒を選択しました。

Image19
〈図6-1 ブラシセレクタのスクラッチボード〉

「スクラッチボード」は、漫画制作で使われるつけペン(Gペンや丸ペンなど)によく似た「入り」と「抜き」を表現できるペンです。
必ずこのブラシでペン入れしなければいけない、という決まりがあるわけではなく、各個人の好みでペン入れ、もしくは清書していいと思います。
warning_32q補足
Painter2016標準のブラシライブラリは、以前のバージョンよりブラシバリアント数を大幅に削減しています。
Painter2015やPainter11ような、以前のブラシを使いたい場合は、ブラシセレクタの三角表示部分(図6-2の赤い丸で囲んだ部分)をクリック→ブラシ一覧のメニューをクリック(図6-3の赤い丸で囲んだ部分)→ブラシライブラリ→選択したいライブラリをクリックで、ライブラリの入れ替えを行ってください。

Image19_2
〈図6-2 ブラシセレクタ〉

ブラシセレクタメニュー2
〈図6-3 ブラシライブラリ一覧〉



基本的に作業中は画面の拡大・縮小や、キャンバスの回転(図6-4)、ブラシサイズを変えながら、線を描いていきます。

Image1
〈図6-4 拡大かつキャンバスが回転した状態〉

これらの画面の操作は、ナビゲーションパネル(図6-5)や、ツールボックスなどいくつかの方法で変更できます。慣れない内は、ナビゲーションパネルを常時表示しておいて操作すると良いと思います。

09_1
〈図6-5 ナビゲーションパネル〉
➀……「現在表示されている領域部分」を示す赤い枠。赤枠を移動させると、手の平移動と同じ動作
➁……標準の100%表示に戻すボタン
➂……縮小ボタン
➃……拡大ボタン
➄……回転した用紙を元に戻すボタン
warning_32q補足
個人的には、キーボードショートカットを覚えた方が描く作業を中断しなくてすむため、かなり便利です
以下にこれらのキーボードショートカットを列挙します。


拡大 Space + Ctrl + クリック
100%→150%→200%→400%→500%、以降200%きざみで動きます。

縮小 Space + Ctrl + Alt + クリック
100%→75%→67%→50%→33%→25%→10%→5%で動きます

手の平移動 Space
キャンバスを動かします。

用紙回転 Space + Alt + ドラッグ
くるくるまわる。Windowsは必ずSpace(一時手の平ツール)から先に押すようにするといい。

回転した用紙を元に戻す Space + Alt + クリック
上記と同じキーボードを押しつつ、ペンタブの先でちょんと軽くクリック。

ブラシサイズの変更 Ctrl + Alt + ドラッグ
スライダに移動せずともブラシサイズ(半径)の変更ができる便利機能。また、このコマンドを押したまま、Ctrlを押すと、その度ごとにドラッグで変更できる値の対象を変えることができます。
つまり、操作の流れは以下のようになります。

Ctrl + Alt + ドラッグ…[ブラシサイズ]を変更可能

↓Ctrlボタンを押して、ボタンから離す(※)

ドラッグ…[ブラシの不透明度]を変更可能

↓Ctrlボタンを押して、ボタンから離す(※)

ドラッグ…[ブラシの厚み]を変更可能

↓Ctrlボタンを押して、ボタンから離す(※)

ドラッグ…[ブラシの角度]を変更可能

↓Ctrlボタンを押して、ボタンから離す(※)

先頭の[ブラシサイズ]に戻る

※・・・変更できる値の対象が変わるのは、Ctrlボタンを押した時ではありません。
Ctrlボタンを押して、そのボタンから手が離れた瞬間に値の対象が変更されます

(2)パーツ分けによるペン入れ
分かりやすい様に、髪や服の部分をレイヤーに分けてペン入れをします。

(2-1) レイヤーパネルの新規レイヤーボタン(図6-6の赤い丸で囲んだ部分)を押し、新規レイヤー「レイヤー1」を作成。同作業を繰り返し「レイヤー2」「レイヤー3」「レイヤー4」を作る。

08
〈図6-6 レイヤーパネル内の新規レイヤーボタン〉

(2-2) 「レイヤー1」を「ズボン」、「レイヤー2」を「トップ」、「レイヤー3」を「髪」、「レイヤー4」を「刀」にレイヤー名を変更。

(2-3) 赤色を選択しズボンレイヤーをペン入れ。
(2-4) 青色を選択しトップレイヤーをペン入れ。
(2-5) 紫色を選択し髪レイヤーをペン入れ。

髪は顔と重なる部分が多く、服などは基本のペン入れをした体より上(手前)に存在する構造なので、パーツ毎にレイヤー分けしてペン入れします。
また、実際の作業を分かりやすくするため、それぞれペン入れの色を違うものに分けました(図6-7)。

6-1
〈図6-7 パーツ毎にレイヤー分けしてペン入れした状態〉

(2-6) ズボンレイヤーを選択し、レイヤーパネルの「透明度ロック」ボタンを押下(図6-8の赤い丸で囲んだ部分)。

02_1
〈図6-8 透明度ロックボタン〉

南京錠アイコンが青くなれば有効状態です。この状態では、描いた線(ズボンのペン入れした部分)以外の場所には描画できなくなりました

(2-7) 再び黒色を選択する。ツールボックスの現在の選択色が黒なことを確認して(図6-9)、メニュー→編集→塗潰しを実行。

07
〈図6-9 現在の選択色が黒の状態〉

それまで赤色だった描線が、黒になるのを確認します

(2-8) トップレイヤーを選択し (2-6)、(2-7)と同様の操作をする。
(2-9) 髪レイヤーを選択し (2-6)、(2-7)と同様の操作をする。

(2-10) Shiftキーを押しながらズボン、トップ、髪レイヤーを順にクリックし、これら3つのレイヤーを選択状態にする(図6-10)。

04_2
〈図6-10 3つのレイヤーを選択状態〉

レイヤーパネルのレイヤーコマンドボタン(図6-11の赤い丸で囲んだ部分)を押し、固定を実行(図6-12)。

02_2
〈図6-11 レイヤーパネル内のレイヤーコマンドボタン〉

04_1
〈図6-12 レイヤーコマンドの一覧画面〉

これで、ズボン、トップ、髪のレイヤー部分がキャンバスに一体化されました。

(2-11) 髪や服と同様に刀の部分でも同様の作業を繰り返し、ペン入れします。
最終的に、キャンバスに黒のペンでペン入れした状態となるはずです(図6-13)。

10
〈図6-13 ペン入れ完了〉
(画面は下書きレイヤーも薄く表示している)


[7/7]に続く


関連エントリ

Painter2016で下書きからペン入れの方法[1/7]【下準備作業】
Painter2016で下書きからペン入れの方法[2/7]【ラフを描く】【カスタムパレットの設定】
Painter2016で下書きからペン入れの方法[3/7]【ラフ修正作業(キャンバスサイズの変更)】【ラフ修正作業(画像の変形)】
Painter2016で下書きからペン入れの方法[4/7]【ペン入れ用下準備】
Painter2016で下書きからペン入れの方法[5/7]【無地テクスチャの作成】
◆Painter2016で下書きからペン入れの方法[6/7]【ペン入れ】
Painter2016で下書きからペン入れの方法[7/7]【主線のレイヤー化(線画の抽出)】


この作例は、集英社から刊行されている加藤和恵著「青の祓魔師」に登場するキャラクター「霧隠シュラ」を元に描いたものです。著者および出版社とは無関係であり、その権利を侵害する意図はございません。
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Painter12で下書きからペン入れの方法[6/7]

[5/7]からの続きです。始めから読む方はこちら[1/7]から。

ペン入れ

ここでは、パーツを分けてペン入れします。装飾の多い衣装を描く場合などは特に、各パーツ事に色を分けてペン入れすると便利になることが多いです。
(1)基本部分のペン入れ
(1-1) ブラシセレクタからペンカテゴリの「スクラッチボード」を選択(図6-1)。
ブラシサイズを適宜変更しつつキャンバスにペン入れ。今回、描画色は黒を選択しました。

19
〈図6-1 ブラシセレクタのスクラッチボード〉

「スクラッチボード」は、漫画制作で使われるつけペン(Gペンや丸ペンなど)によく似た「入り」と「抜き」を表現できるペンです。
必ずこのブラシでペン入れしなければいけない、という決まりがあるわけではなく、各個人の好みでペン入れ、もしくは清書していいと思います。

例えば、以前紹介したペンカテゴリの「スムーズ丸ペン」のサイズを、便宜変更しつつペン入れしても全く問題ありません。

基本的に作業中は画面の拡大・縮小や、キャンバスの回転(図6-2)、ブラシサイズを変えながら、線を描いていきます。

Image1
〈図6-2 拡大かつキャンバスが回転した状態〉

これらの画面の操作は、ナビゲーションパネル(図6-3)や、ツールボックスなどいくつかの方法で変更できます。慣れない内は、ナビゲーションパネルを常時表示しておいて操作すると良いと思います。

09_1
〈図6-3 ナビゲーションパネル〉
➀……「現在表示されている領域部分」を示す赤い枠。赤枠を移動させると、手の平移動と同じ動作
➁……標準の100%表示に戻すボタン
➂……縮小ボタン
➃……拡大ボタン
➄……回転した用紙を元に戻すボタン
warning_32q補足
個人的には、キーボードショートカットを覚えた方が描く作業を中断しなくてすむため、かなり便利です
以下にこれらのキーボードショートカットを列挙します。


拡大 Space + Ctrl + クリック
100%→150%→200%→400%→500%、以降200%きざみで動きます。

縮小 Space + Ctrl + Alt + クリック
100%→75%→67%→50%→33%→25%→10%→5%で動きます

手の平移動 Space
キャンバスを動かします。

用紙回転 Space + Alt + ドラッグ
くるくるまわる。Windowsは必ずSpace(一時手の平ツール)から先に押すようにするといい。

回転した用紙を元に戻す Space + Alt + クリック
上記と同じキーボードを押しつつ、ペンタブの先でちょんと軽くクリック。

ブラシサイズの変更 Ctrl + Alt + ドラッグ
スライダに移動せずともブラシサイズ(半径)の変更ができる便利機能。また、このコマンドを押したまま、Ctrlを押すと、その度ごとにドラッグで変更できる値の対象を変えることができます。
つまり、操作の流れは以下のようになります。

Ctrl + Alt + ドラッグ…[ブラシサイズ]を変更可能

↓Ctrlボタンを押して、ボタンから離す(※)

ドラッグ…[ブラシの不透明度]を変更可能

↓Ctrlボタンを押して、ボタンから離す(※)

ドラッグ…[ブラシの厚み]を変更可能

↓Ctrlボタンを押して、ボタンから離す(※)

ドラッグ…[ブラシの角度]を変更可能

↓Ctrlボタンを押して、ボタンから離す(※)

先頭の[ブラシサイズ]に戻る

※・・・変更できる値の対象が変わるのは、Ctrlボタンを押した時ではありません。
Ctrlボタンを押して、そのボタンから手が離れた瞬間に値の対象が変更されます

(2)パーツ分けによるペン入れ
分かりやすい様に、髪や服の部分をレイヤーに分けてペン入れをします。

(2-1) レイヤーパネルの新規レイヤーボタン(図6-4の赤い丸で囲んだ部分)を押し、新規レイヤー「レイヤー1」を作成。同作業を繰り返し「レイヤー2」「レイヤー3」「レイヤー4」を作る。

08
〈図6-4 レイヤーパネル内の新規レイヤーボタン〉

(2-2) 「レイヤー1」を「ズボン」、「レイヤー2」を「トップ」、「レイヤー3」を「髪」、「レイヤー4」を「刀」にレイヤー名を変更。

(2-3) 赤色を選択しズボンレイヤーをペン入れ。
(2-4) 青色を選択しトップレイヤーをペン入れ。
(2-5) 紫色を選択し髪レイヤーをペン入れ。

髪は顔と重なる部分が多く、服などは基本のペン入れをした体より上(手前)に存在する構造なので、パーツ毎にレイヤー分けしてペン入れします。
また、実際の作業を分かりやすくするため、それぞれペン入れの色を違うものに分けました(図6-5)。

6-1
〈図6-5 パーツ毎にレイヤー分けしてペン入れした状態〉

(2-6) ズボンレイヤーを選択し、レイヤーパネルの「透明度ロック」ボタンを押下(図6-6の赤い丸で囲んだ部分)。

02_1
〈図6-6 透明度ロックボタン〉

南京錠アイコンが青くなれば有効状態です。この状態では、描いた線(ズボンのペン入れした部分)以外の場所には描画できなくなりました

(2-7) 再び黒色を選択する。ツールボックスの現在の選択色が黒なことを確認して(図6-7)、メニュー→編集→塗潰しを実行。

07
〈図6-7 現在の選択色が黒の状態〉

それまで赤色だった描線が、黒になるのを確認します

(2-8) トップレイヤーを選択し (2-6)、(2-7)と同様の操作をする。
(2-9) 髪レイヤーを選択し (2-6)、(2-7)と同様の操作をする。

(2-10) Shiftキーを押しながらズボン、トップ、髪レイヤーを順にクリックし、これら3つのレイヤーを選択状態にする(図6-8)。

04_2
〈図6-8 3つのレイヤーを選択状態〉

レイヤーパネルのレイヤーコマンドボタン(図6-9の赤い丸で囲んだ部分)を押し、固定を実行(図6-10)。

02_2
〈図6-9 レイヤーパネル内のレイヤーコマンドボタン〉
04_1
〈図6-10 レイヤーコマンドの一覧画面〉

これで、ズボン、トップ、髪のレイヤー部分がキャンバスに一体化されました。

(2-11) 髪や服と同様に刀の部分でも同様の作業を繰り返し、ペン入れします。
最終的に、キャンバスに黒のペンでペン入れした状態となるはずです(図6-11)。

10
〈図6-11 ペン入れ完了〉
(画面は下書きレイヤーも薄く表示している)


[7/7]に続く


関連エントリ

Painter12で下書きからペン入れの方法[1/7]【下準備作業】
Painter12で下書きからペン入れの方法[2/7]【ラフを描く】【カスタムパレットの設定】
Painter12で下書きからペン入れの方法[3/7]【ラフ修正作業(キャンバスサイズの変更)】【ラフ修正作業(画像の変形)】
Painter12で下書きからペン入れの方法[4/7]【ペン入れ用下準備】
Painter12で下書きからペン入れの方法[5/7]【無地テクスチャの作成】
◆Painter12で下書きからペン入れの方法[6/7]【ペン入れ】
Painter12で下書きからペン入れの方法[7/7]【主線のレイヤー化(線画の抽出)】


この作例は、集英社から刊行されている加藤和恵著「青の祓魔師」に登場するキャラクター「霧隠シュラ」を元に描いたものです。著者および出版社とは無関係であり、その権利を侵害する意図はございません。
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Painter11でペン入れしてみた

この記事は、Painter11 を含む古いバージョンで有効です

Painter9.5で描いてあった下書き(図1)を使って、Painter11でペン入れをしてみました。
下書き〈図1 Painter9.5で描いた下書き〉

下書きまでの方法は「Painterで下書きからペン入れの方法[1/4]」、[2/4][3/4]とまったく同じです。

使ったブラシは、ペンカテゴリのスクラッチボード。設定をいじらずに標準のままで使いました(図2)。
スクラッチボード〈図2 ペンカテゴリのスクラッチボード〉

Painter11の標準では、キャンバス上に表示されるブラシの形状アイコン(一般には「ブラシゴースト」と言う)が、下の図3のようなものになっています。
Painter11のブラシゴースト〈図3 Painter11のブラシゴースト〉

丸い部分が現在のブラシサイズを表し、斜めに伸びた線がペンの傾きを意味しています。
また、この線が短いほど、タブレットのボードに対しペンが垂直になっていることを表しています。図3のように長いと、ペンを寝かせているように持っているという意味です。

このブラシゴースト表示を、以前のようにブラシサイズだけにしたい場合は、メニュー→編集→環境設定→一般の画面(図4)で「ブラシゴーストの強化」のチェックボックス(図4の赤い丸で囲んだ部分)をオフにしてください。

ブラシゴースト自体を表示したくない場合は、同画面の「ブラシゴーストを有効にする」のチェックボックス(図4の青い丸で囲んだ部分)をオフにしてください。
環境設定内一般の画面〈図4 環境設定内一般の画面〉
(図は共にオンの状態)


ペン入れ自体は以前と同様に、がりごり描いていきました(図5)。
ペン入れ最中の様子〈図5 ペン入れ最中の様子〉

ここいら一連の作業で用いるキーボードショートカット自体の変更はありませんでしたが、拡大(Space + Ctrl + クリック)と縮小(Space + Ctrl + Alt + クリック)で動く倍率の度合いが変更されていました。

9.5のように一律25%刻みではなく、100%未満は75%→66.6%→50%→33.3%→25%→5%に、100%以上で150%→200%→以上100%刻みで倍率を変更していました。


その他、作業の手順としては、Painterで下書きからペン入れの方法[4/4]とまったく同じにできたので(図6)、具体的な方法は、そちらのエントリーを参考にしてください。
ただし、メニューコマンドの「塗潰し」の場所が変更されていて、Painter11では、メニュー→編集→塗潰しになっていますので、注意してください。
(キーボードショートカットは変更されていません)
e17d3e47.gif
〈図6 ペン入れ最中の様子(その2)〉

完成はこちら(原寸)。
858af449.gif


関連エントリー

この作例は、ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)に基づいて、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター「初音ミク」を描いたものです
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Painterでのペン入れ(古い方法)

この記事は、Painter11 を含む古いバージョンで有効です

Painterで下書きからペン入れの方法[4/4]で、Painterでのペン入れのやり方を具体的に述べましたが、これはレイヤーを用いた、ごく標準的な方法でした。

他にも、細かいやり方が幾つかあるのですが、今回はレイヤーを全く用いない方法を述べます。

この方法は、クローン機能トレーシングペーパー機能を用います。
レイヤー機能を持っていない『PainterClassic』という、Painter5をベースにした廉価版ソフトで大変よく用いられていたものです。

今回は、下書きが完成し、ファイル保存した状態から始めます(図1)。
下書きまでの方法は「Painterで下書きからペン入れの方法[1/4]」、[2/4][3/4]とまったく同じです。
下書きサンプル
〈図1 下書きサンプル〉



(1)メニュー→ファイル→クローン作成を実行。
図1のファイルと全く同じ画像ファイルが作成されます。
このファイルは、元ファイルの名前の頭に『クローン:』が付いたファイル名になっているはずです(図2)。
クローンファイル名
〈図2 クローンファイル名〉

以降、これを「クローンファイル」と呼びます。
念のため、クローンファイルも保存しておきます。

(2)メニュー→ファイル→クローンソースで、下書き元ファイルにチェックが入っていることを確認します(図3)。
クローンソースの確認
〈図3 クローンソースの確認〉

(3)クローンファイルの方を全消しします。
レイヤーパレットでキャンバスを選択し、メニュー→選択範囲→全て選択(またはショートカットコマンドCtrl + a)のあと、メニュー→編集→消去(またはBackspaceキー押下)

(4)クローンファイル側のトレーシングペーパー機能をオンにする。
メニュー→キャンバス→トレーシングペーパー実行。
または、画面右上のトレーシングペーパーボタン(図4の赤い丸で囲んだ部分)を押下。
トレーシングペーパーボタン
〈図4 トレーシングペーパーボタン〉

すると、クローンファイル上に、下書き画像が薄く表示されます(図5)。
トレーシングペーパー機能で表示された下書き
〈図5 トレーシングペーパー機能でクローンファイルに表示された下書き〉

これを元にクローンファイル上のキャンバスに、ペンカテゴリのスクラッチボードペン等で、ペン入れしていきます。
トレーシングペーパー機能でペン入れしていると、清書した主線も薄く表示されていますので、トレーシングペーパーを随時、表示したり消したりしたりして、キャンバスに描き込んだ線を確認してください。

(4)のどちらかを実行すれば、トレーシングペーパーの下書き表示のオン/オフを切り替えられます。

また、図4のトレーシングペーパーボタンを長押しすると、トレーシングペーパー表示濃度が%で表示されます(図6)。
トレーシングペーパー表示濃度リスト
〈図6 トレーシングペーパー表示濃度リスト〉

標準では50%が選択されています。
90%を選択すると薄く、10%を選択すると濃く表示されますので、ご自身の好きな濃さで表示してください。
下書きなので、80%程度がお薦めです。

ちなみに、Painter9.1以前のバージョンでは図6の様な表示濃度を選択する機能はなく、一律50%表示でした。
なので、これらのバージョンの場合、50%表示で下書き線が濃かったならば、下書き元ファイルを、選択色「白」で50%程度の不透明度で塗り潰すと、クローンファイルの下書き表示も、それに対応して薄くなり見やすくなります。

塗り潰しは、下書き元ファイル上でメニュー→効果→塗潰しを実行、塗潰し画面(図7)で、「塗潰し方法」に選択色を選択し、不透明度を50%程度に適宜変更し(図7の赤い丸で囲んだ部分)、OKボタンを押します。
塗潰し画面
〈図7 塗潰し画面〉


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この作例は、ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)に基づいて、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター「初音ミク」を描いたものです
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Painterで下書きからペン入れの方法[4/4]

この記事は、Painter11 を含む古いバージョンで有効です

[3/4]からの続きです。始めから読む方はこちら[1/4]から。

ペン入れ

ここでは、パーツを分けてペン入れします。装飾の多い衣装を描く場合などは特に、各パーツ事に色を分けてペン入れすると便利になることが多いです。

(1) ブラシセレクタのペンカテゴリの「スクラッチボード」を選択。
ブラシサイズを適宜変更しつつキャンバスにペン入れ。今回、描画色は黒を選択しました。
ブラシセレクタのスクラッチボード画面
〈図27 ブラシセレクタのスクラッチボード画面〉

「スクラッチボード」は、漫画制作で使われるつけペン(Gペンや丸ペンなど)によく似た「入り」と「抜き」を表現できるペンです。
必ずこのブラシでペン入れしなければいけない、という決まりがあるわけではなく、各個人の好みでペン入れ、もしくは清書していいと思います。

例えば、下書きで使用したエアブラシカテゴリの「先細エアブラシ3」のブラシサイズを1.0~1.5程度に便宜変更しつつペン入れしても全く問題ありません。


基本的に作業中は画面の拡大・縮小や、キャンバスの回転(図28)、ブラシサイズを変えながら、線を描いていきます。
拡大かつキャンバスが回転した状態
〈図28 拡大かつキャンバスが回転した状態〉

これらの上記の操作は、メニューや画面左下にあるスライダ、ツールボックスなどいくつかの方法で変更できます。しかし個人的には、キーボードショートカットを覚えた方が描く作業を中断しなくてすむため、かなり便利です
以下にこれらのキーボードショートカットを列挙します。

拡大 Space + Ctrl + クリック
25%きざみで動きます

縮小 Space + Ctrl + Alt + クリック
25%きざみで動きます

手の平移動 Space
キャンバスを動かします。

用紙回転 Space + Alt + ドラッグ
くるくるまわる。Windowsは必ずSpace(一時手の平ツール)から先に押すようにするといい。

回転した用紙を元に戻す Space + Alt + クリック
上記と同じキーボードを押しつつ、ペンタブの先でちょんと軽くクリック。

ブラシサイズの変更 Ctrl + Alt + ドラッグ
スライダに移動せずともブラシサイズの変更ができる便利機能。


(2) 分かりやすい様に、髪や足の部分を分けてペン入れをします。

(2-1) レイヤーパレットの新規レイヤーボタン(図29の赤い丸で囲んだ部分)を押し、新規レイヤー「レイヤー1」を作成。同作業を繰り返し「レイヤー2」を作る。
レイヤーパレット内の新規レイヤーボタン
〈図29 レイヤーパレット内の新規レイヤーボタン〉

(2-2) 「レイヤー1」を「足」に、「レイヤー2」を「髪」にレイヤー名を変更。
(2-3) 青色を選択し足レイヤーをペン入れ。
(2-4) 赤色を選択し髪レイヤーをペン入れ。

髪は顔と、足はすねの部分と重なる構図であったため、パーツ毎にレイヤー分けしてペン入れします。また、分かりやすくするため、それぞれペン入れの色を赤と青に分けました(図30)。
パーツ毎にレイヤー分けしてペン入れした状態
〈図30 パーツ毎にレイヤー分けしてペン入れした状態〉

(2-5) 髪レイヤーを選択し、レイヤーパレットの「透明度ロック」のチェックボックスをオンにする(図31の赤い丸で囲んだ部分)。
透明度がロックされた状態
〈図31 透明度がロックされた状態〉

これで、描いた線(髪のペン入れした部分)以外の場所には描画できなくなりました

(2-6) 再び黒色を選択する。ツールボックスの現在の選択色が黒なことを確認して(図32の赤い丸で囲んだ部分)、メニュー→効果→塗潰しを実行。
現在の選択色が黒の状態
〈図32 現在の選択色が黒の状態〉

それまで赤色だった髪の描線が、黒になるのを確認します

(2-7) 足レイヤーを選択し (2-5)、(2-6)と同様の操作をする。
(2-8) Shiftキーを押しながら髪レイヤーと足レイヤーを順にクリックし、2つのレイヤーを選択状態にする(図33)。
髪レイヤーと足レイヤーを選択状態
〈図33 髪レイヤーと足レイヤーを選択状態〉

レイヤーパレットのレイヤーコマンドボタン(図34の赤い丸で囲んだ部分)を押し、固定を実行(図35)。
レイヤーパレット内のレイヤーコマンドボタン
〈図34 レイヤーパレット内のレイヤーコマンドボタン〉
レイヤーコマンドの一覧画面
〈図35 レイヤーコマンドの一覧画面〉

これで、髪と足のレイヤー部分がキャンバスに一体化されました。

(2-9) 髪や足と同様に、猫の部分でも繰り返し作業して、ペン入れします。
最終的に、キャンバスに黒のペンでペン入れした状態となるはずです(図36)。
ペン入れ完了状態
〈図36 ペン入れ完了〉
(画面は下書きレイヤーも薄く表示している)


主線のレイヤー化(線画の抽出)

ペン入れして清書した線は現時点でキャンバスに描かれていますので、これをレイヤー上に移します(線画の抽出)。また、後の着彩作業のために、主線以外の部分は透明にしておきます。

(1) レイヤーパレットで、キャンバスを選択し、メニュー→選択範囲→自動選択。
自動選択ダイアログの参照元に「画像の明るさ」を選択してOKボタン押下。
これで、主線部分が選択された状態になります(図37)
主線が選択された状態
〈図37 主線が選択された状態〉

(2) 新規レイヤーを作成し、色を選択。ここでは分かりやすいように茶色を選択しました。しかし、主線の色が黒のままで構わない場合は黒を選択してください。

(3) 新規レイヤー1の透明度がロックされていないことを確認し、メニュー→効果→塗潰しを実行。
ここで透明度がロックされていると、レイヤー1に何も描写されないので注意してください。
実行結果は、下図38のようになっています。
主線がレイヤー化された状態
〈図38 主線がレイヤー化された状態〉

レイヤー1に、茶色で主線が再描画されました。

主線以外の部分が透明になっていることを確認するには、キャンバスを非表示にする(目のアイコンを閉じる)とよくわかります(図39)。
PainterImage67
〈図39 主線以外が透明な状態(キャンバス非表示)〉

(4) キャンバス上の主線(黒)を全消し。
レイヤーパレットでキャンバスを選択し、メニュー→選択範囲→全て選択(またはショートカットコマンドCtrl + a)のあと、メニュー→編集→消去(またはBackspaceキー押下)
(5) 「レイヤー1」の名前を「主線」に変更。


以上、ここでペン入れ作業は終了です。
通常この先は、この主線を保護して色を塗ったりするわけですが、今回はここまでです。お疲れ様でした。

今回、制作した線画(原寸)。
797500a8.gif


【参考】Painter11でペン入れしてみた
Ver.9.5で行ったペン入れ作業([4/4]に該当)と同じ事ができます。大きな違いはメニューの「塗潰し」の場所が、メニュー→編集→塗潰しに変わっていることぐらいです。

warning_32q補足1
主線の色は主線レイヤーを透明度ロックして、変更したい色で塗潰せば、いつでも変えられます。

warning_32q補足2
キャンバス上にあるペン入れ完成絵を、全選択した後レイヤー変換しても主線はレイヤー1に移動できます。しかし、この方法だと主線以外の部分が、白と認識されてしまいます。
この場合、主線レイヤーより下に配置したレイヤー(キャンバス含む)が表示できなくなるので、レイヤーの表示を「デフォルト」から「フィルタ」や「乗算」に変えなければなりません。

しかしPainterの仕様上、この方法はあまりお薦めできません。それはこの後の着彩作業中に、色々と余計な手間が発生しやすくなるからです。

warning_32q補足3
アナログでペン入れした線画を、スキャンして使用する場合、ゴミ取りや線の修正を行ったあとに主線をレイヤー化以降の作業を行うと良いです。


関連エントリー
Painterで下書きからペン入れの方法[1/4]【下準備作業】~【ラフを描く】
Painterで下書きからペン入れの方法[2/4]【ラフ修正作業】
Painterで下書きからペン入れの方法[3/4]【ペン入れ用下準備】~【無地テクスチャの作成】
◆Painterで下書きからペン入れの方法[4/4]【ペン入れ】~【主線のレイヤー化(線画の抽出)】

Painterでのペン入れ(古い方法)
Painter11でペン入れしてみた

この作例は、サイト「キタユメ。」のアバウトキタユメ。に書かれている「二次創作について」に基づき、『AXIS POWERS ヘタリア』の登場キャラクター「日本」を描いたものです
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コーレル Painter 2017
コーレル Painter 2017
▲最新バージョン16
(2016/9/2 発売)

コーレル Painter 2017 アップグレード版
コーレル Painter 2017 アップグレード版
過去のフルバージョンユーザーが購入可能なパッケージ。

コーレル Painter 2017 特別優待版
コーレル Painter 2017 特別優待版
▲PainterEssensitalsまたはその他のCOREL製品やPhotoshop、SAI、IllustStudio、ComicStudio、CLIP STUDIO PAINT等のユーザーが購入できるパッケージ。この版のDL販売はなし。

コーレル Painter 2017 アカデミック版
コーレル Painter 2017 アカデミック版
▲学生・教職員・各種専門学校・大学校・図書館司書職員・美術館学芸職員などが購入できるパッケージ。但しアップグレードできない、商用利用できない、譲渡できないという制限がある。この版のDL販売はなし。
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Corel Painter 2017 [ダウンロード]
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Corel Painter 2017 アップグレード版 [ダウンロード]
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Painter 2016
Painter 2016
▲旧バージョン15(2015/9/18 発売)

Painter 2016 アップグレード版
Painter 2016 アップグレード版
Painter7以降のユーザーが購入可能なパッケージ。

Painter 2016 特別優待版
Painter 2016 特別優待版
▲Painter6以前のユーザーやEssensitalsまたはその他のCOREL製品やPhotoshop、SAI、IllustStudio、ComicStudio、CLIP STUDIO PAINT等のユーザーが購入できるパッケージ。この版のDL販売はなし。


Painter 2016 アカデミック版
Painter 2016 アカデミック版
▲学生・教職員・各種専門学校・大学校・図書館司書職員・美術館学芸職員などが購入できるパッケージ。但しアップグレードできない、商用利用できない、譲渡できないという制限がある。この版のDL販売はなし。
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Corel Painter 2015 通常版
Corel Painter 2015 通常版
旧バージョン14(2014/8/29 発売)

Corel Painter 2015 アップグレード版
Corel Painter 2015 アップグレード版
Painter7以降のユーザーが購入可能なパッケージ。

Corel Painter 2015 特別優待版
Corel Painter 2015 特別優待版
▲Painter6以前のユーザーやEssensitalsまたはその他のCOREL製品やPhotoshop、SAI、IllustStudio、ComicStudio、CLIP STUDIO PAINT等のユーザーが購入できるパッケージ。この版のDL販売はなし。

Corel Painter 2015 アカデミック版
Corel Painter 2015 アカデミック版
▲学生・教職員・各種専門学校・大学校・図書館司書職員・美術館学芸職員などが購入できるパッケージ。但しアップグレードできない、商用利用できない、譲渡できないという制限がある。この版のDL販売はなし。
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Painterの備忘録的なアレ