この記事は、Painter11 を含む古いバージョンで有効です
ラフから下書き、その後ペン入れ……という方法は、コミック系イラストを描く人には親しんだ方法です。
Painterでこれらの作業をするための手順を以下に示します。
この記事は『Painter初心者で、どんな操作をして、どんなブラシで書けばいいのか見当もつかない』という人向けのものです。
また、PC初心者を想定して書いていません。
作例はWindows版Painter9.5を使用していますが、Painter8~Painter11までであれば、ほぼ通用します。(参考→Painter11でペン入れしてみた)
(追記)当初の予定より内容が長くなったので、目次置いておきます。
◆[1/4]【下準備作業】~【ラフを描く】
◇[2/4]【ラフ修正作業】
◇[3/4]【ペン入れ用下準備】~【無地テクスチャの作成】
◇[4/4]【ペン入れ】~【主線のレイヤー化(線画の抽出)】
下準備作業
ペンタブレットの筆圧感知調整を行います。以下の2通りの方法があります。(1)タブレットドライバの設定を変更して調整する
(2)Painterのブラシトラッキング機能を使って調整する
これらのうちいずれかを実行してください。(2)Painterのブラシトラッキング機能を使って調整する
ブレットがIntuos、Intuos2の場合は(1)の方法を、Intuos3以降の機種は(2)の方法をお薦めします。理由は、タブレットドライバの筆圧精度設定が、Intuos3以降かなり大雑把なものになってしまったためです。
(1)タブレットドライバでの方法
(1-1) ワコムタブレットのプロパティを起動します。スタート→全てのプログラム→Wacom タブレット→ワコムタブレットのプロパティを実行。
(1-2) ペンの設定を行います。
(1-2-1) ペン先の感触エリアの詳細設定ボタンをクリック。
(1-2-2) 試し描き、もしくは筆圧感度スライダで、自分にとって一番良い感じの圧力になるようにします。
(1-3) ワコムタブレットのプロパティ画面を閉じる。
(2)ブラシトラッキングでの方法
(2-1) Pianterを起動。編集→環境設定→ブラシトラッキングを実行。(2-2) ブラシトラッキング上で試し書きする(図1)。(これで、Painterが自動で適切な筆圧を設定します)
〈図1 ブラシトラッキング画面〉
(2-3) OKボタン押下。
ラフを描く
(1) メニューのファイル→新規を実行。好きなキャンバスサイズを入力してOKボタンを押下。ここでは幅600ピクセル、高さ800ピクセル、解像度150、ペーパーカラー白、ピクチャタイプ画像を選択してます(図2)。
〈図2 新規ファイルダイアログ〉
〈図3 新規キャンバス(パレット非表示)画面〉
(図2の画面で設定する「解像度」についての詳しい説明は「Painterの解像度について」を参考のこと)
(2) 好きな色を選択し、ブラシセレクタ(図4)のエアブラシカテゴリの「先細エアブラシ3」を選択し、キャンバス(図3)に落書き。
〈図4 ブラシセレクタの先細エアブラシ3画面〉
このブラシは、ペンタブレットで軽く描くと細い線が、力を入れて描くと太い線が出るはずです。
ここで筆圧がいまいちだなと思ったら、前述の下準備作業をもう一度行ってください。特に思い通りの「入り」や「抜き」ができるためには、ブラシトラッキング機能の調節が重要です。
場合によっては、タブレットドライバの設定を標準に戻した上で改めて、ブラシトラッキングの設定してもいいと思います。
(3) ラフ描き。
ここではわかりやすいように少し薄い灰色がかった色で描きました。
〈図5 ラフサンプル画面〉
描いた線を消す場合は、ブラシセレクタ(図4)の消しゴムカテゴリの中から「消しゴム」や「ブロック消しゴム10」(または20)あたりを、サイズを変えながら使うと良いと思います。
一気に全消ししたい場合は、メニュー→選択範囲→全て選択(またはショートカットコマンドCtrl + a)のあと、メニュー→編集→消去(またはBackspaceキー押下)
(4) カスタムパレットの設定。
ブラシセレクタ(図4)から、いちいちブラシを選択するのは面倒なので、よく使うブラシや消しゴムブラシをまとめてカスタムパレットに登録しておきます。
やり方は、ブラシアイコンをキャンバス側にドラッグ&ドロップするだけです。すると自動で新しいカスタムパレットが作成されます。
一つのカスタムパレットには、複数のブラシやコマンドを登録できます。
追加する場合には、追加したいカスタムパレット上に、ブラシアイコンを同様にドラッグ&ドロップします(図6、図7)。
〈図6 カスタムパレットへのブラシ追加画面〉
〈図7 カスタムパレットに追加されたブラシ〉
また、カスタムパレット自体を複数作ることができます。
その際は、先に作ったカスタムパレット以外の場所に、ブラシアイコンをドラッグ&ドロップします。
カスタムパレットの名前は、最初「カスタムパレット1」や「カスタムパレット2」などと名前が付いていますが、メニュー→ウィンドウ→カスタムパレット→オーガナイザの画面の名前変更ボタンで変更できます。(図8)
〈図8 カスタムパレットのオーガナイザ画面〉
→[2/4]に続く
関連エントリ
◆Painterで下書きからペン入れの方法[1/4]【下準備作業】~【ラフを描く】
◇Painterで下書きからペン入れの方法[2/4]【ラフ修正作業】
◇Painterで下書きからペン入れの方法[3/4]【ペン入れ用下準備】~【無地テクスチャの作成】
◇Painterで下書きからペン入れの方法[4/4]【ペン入れ】~【主線のレイヤー化(線画の抽出)】
・カスタムパレットの操作方法
・Painterの解像度について