Painterでの解像度の基本的な扱いについては、「Painterの解像度について」を参考にしてください。
印刷に必要なピクセル数の算出方法
例えば、A4サイズ(29.7cm×21.0cm)で、印刷を前提としたPainterの新規ファイルを作る時に必要となるピクセル数を算出するには、以下のようになります。f( x ) = x × (29.7 / 2.54)・・・① 長辺に必要となるピクセル数
g( x ) = x × (21.0 / 2.54)・・・② 短辺に必要となるピクセル数
それぞれ長辺、短辺の部分を2.54で除算しているのは、cm単位だったのをインチ単位に変換しているからです。(1インチ=2.54cm)
変数x は解像度の値です。
一般に、印刷前提のカラーイラストでは、解像度に350ppi(=dpi)を要求されることが多いです。
なので、①と②の式で、変数xに350を代入すると
f(350) = 350 × (29.7 / 2.54) = 4093(四捨五入)
g(350) = 350 × (21.0 / 2.54) = 2894(四捨五入)
となり、350ppiでA4サイズとなるようなキャンバスサイズは、長辺4093ピクセル、短辺2894ピクセルとなります。
A4サイズでも、解像度を10ppiに設定すると、変数x に10を代入することになるので、
f(10) = 10 × (29.7 / 2.54) = 117(四捨五入)
g(10) = 10 × (21.0 / 2.54) = 83(四捨五入)
このように解像度によって、ピクセル数が全く違うことになります。
さらには長辺と短辺の値も可変なので、この値を変数y (cm)とすると、①と②式は、以下のようになります。
f( x,y ) = x × ( y / 2.54)・・・③ 一辺に必要となるピクセル数
Painterでの簡易設定方法
しかし、いちいちこんな計算をするのも大変面倒です。なので最低限、日本標準用紙の規格サイズ(A4やB5等)の長辺と短辺の長さの値(cm)さえ知っていれば良い方法を以下に示します。
まず、Painterの新規ファイルダイアログ(図1)で、最初に「解像度」を設定します。

〈図1 新規ファイルダイアログ(センチ設定)〉
この際、単位は標準の「ピクセル/インチ」のままです。ここでは値として350を入力しました(図1)。
次に、「幅」と「高さ」の単位をインチからセンチに変更します(図1の赤い四角で囲んだ部分)。その後、幅と高さにそれぞれ日本標準用紙の規格サイズの値(cm)を入力します(図1の青い四角で囲んだ部分)。
ここではA4サイズの縦長なキャンバスにするため、幅に21.0、高さに29.7を入力しました。
OKボタンを押下すると、解像度350ppiのA4(縦長)の新規キャンバスが作成されます。
このキャンバスのピクセル数を確認するためには、メニュー→ウィンドウ→情報を実行し、情報画面(図2)を出すと、現在のキャンバスの幅・高さ・解像度が表示されます。

〈図2 情報画面〉
また図1のOKボタンを押す前に、幅と高さの単位をセンチからピクセルに変更してみてください(図3)。

〈図3 新規ファイルダイアログ(ピクセル設定)〉
幅と高さの値が、センチ対応のものから、ピクセルに変換した2894と4093に変化するはずです(図3)。
しかし、これさえもいちいち入力するのが面倒なので、最初にこれら良く使うキャンバスサイズを雛形(テンプレート)として登録しておくと、もっと便利です。
テンプレート機能はver.9から搭載されています。それより前のバージョンでは使えませんので注意してください。
→Painterのテンプレートファイルの使い方へ
補足
日本標準用紙の規格サイズ
用紙サイズ | 長辺(cm) | 短辺(cm) |
---|---|---|
A1 | 84.1 | 59.4 |
A2 | 59.4 | 42.0 |
A3 | 42.0 | 29.7 |
A4 | 29.7 | 21.0 |
A5 | 21.0 | 14.8 |
A6 | 14.8 | 10.5 |
A7 | 10.5 | 7.4 |
B1 | 103.0 | 72.8 |
B2 | 72.8 | 51.5 |
B3 | 51.5 | 36.4 |
B4 | 36.4 | 25.7 |
B5 | 25.7 | 18.2 |
B6 | 18.2 | 12.8 |
B7 | 12.8 | 9.1 |
関連エントリ
・Painterの解像度について
・Painterのテンプレートファイルの使い方