選択範囲の追加と削除
現時点で、選択漏れの箇所や、顔の他にも耳、首などの肌の領域を追加したいので(図2-1)、選択範囲に追加することにします。
〈図2-1 選択範囲に追加したい領域〉
選択マーカーが表示されている状態で、追加したい領域をShiftキー + クリック。すると、現在の選択範囲に追加されます。
逆に選択範囲から領域を外す場合は、Altキー + クリックします。
狭い領域では、誤って違う場所をクリックしやすいので、追加や削除をする場合は、該当箇所の画面を拡大表示しておく方が無難です。
誤った場所をクリックした時は、Ctrl+Zでやり直ししてください。
一応プロパティでも追加と削除ボタンがありますが(図2-2)、上記の方が手軽だと思います(特に追加する方)。
念のため補足しておくと、図2-2の赤い丸で囲んだ部分のボタンが追加モードで、青い丸で囲んだ部分のボタンが削除モードに切り替えるものです。
〈図2-2 マジックワンドのプロパティ〉
選択範囲を追加した結果が図2-3です。

〈図2-3 追加された選択範囲〉
選択範囲の拡大
図2-3では、選択された領域と主線の間にはわずかな隙間がある状態です。下地として機能させるには隙間があるのは良くないので、これを埋めるために選択範囲を拡大し太らせます。(1) 図2-3の状態のままメニュー→選択範囲→選択範囲の変換を実行。
すると(Painterが内部演算しやすくするために)パスベースの選択範囲にモード変換します(図2-4)。
このモードでは、図2-4の赤い丸で囲まれた8つのポイントが追加表示されます。

〈図2-4 変換されたパスベースの選択範囲〉
(2) メニュー→選択範囲→選択範囲の調整→拡大を実行。
選択範囲の拡大ウィンドウがでるので、ここで太らせるピクセル数を入力しOKボタン押下。
大抵の場合は1もしくは2を入力すれば十分です。今回は2を入力しました(図2-5)。

〈図2-5 選択範囲の拡大ウィンドウ〉
領域が2ピクセル分、太ります(図2-6)。隣接していた部分では、領域が合体した箇所もあります。

〈図2-6 選択範囲拡大の実行結果(左・選択状態、右・選択範囲を着色した状態)〉
補足
上記(1)にある「選択範囲の変換」を実行しないと、選択範囲の調整のサブメニューにある「拡大」がグレイアウトして実行できません。注意してください。下地レイヤーの作成
新規レイヤーを作り、現在の選択範囲で塗り潰して、下地レイヤーを作ります。(1) レイヤーパレットの新規レイヤーボタン(図2-7の赤い丸で囲んだ部分)を押し、新規レイヤー「レイヤー1」を作成(Shift+Ctrl+N)。

〈図2-7 レイヤーパレット内の新規レイヤーボタン〉
(2) 「レイヤー1」を「顔ベース」にレイヤーの名前を変更。
(3) 「顔ベース」レイヤーの透明度がロックされていないことを確認し、メニュー→編集→塗潰し(Ctrl+F)を実行。

〈図2-8 レイヤー上で選択範囲が塗り潰された結果〉
(4)細部の調整。
眉毛、目、鼻や口の描線部分に塗り残しがあるので、「ペン」カテゴリの「べた塗りブラシ」(図2-9)で塗り潰します。
〈図2-9 ペンカテゴリのべた塗りブラシ〉
結果、このような状態になりました(図2-10)。

〈図2-10 加筆した状態〉
この顔ベースレイヤーが、主線レイヤーの直下になるよう、レイヤーパレット内をドラッグで移動させて(図2-11)、更に細部の確認をします。

〈図2-11 レイヤー移動後の状態〉
細部を拡大し、肌の領域よりはみ出した部分は消し、隙間があった場合は塗って修正していきます(図2-12)。

〈図2-12 下地レイヤーの修正作業図〉
この作業は大変地味ですが、後々楽をするためにも丁寧に行ってください。
(5) 下地レイヤーの色を変更。
(5-1) 下地レイヤーを選択し、レイヤーパレットの「透明度ロック」のチェックボックスをオンにする。
(5-2)好きな色を選択し、メニュー→編集→塗潰し(Ctrl+F)を実行(図2-13)。

〈図2-13 色変更の結果〉
塗り潰しの際に「選択色」ではなく「グラデーション」を設定すると、こんな感じにも変更できます(図2-14)

〈図2-14 グラデーションで変更した結果〉
Ver.9.5との比較
この作業一連はPainter11で行いましたが、同じ主線を使って、同様の操作をPainter9.5で行っても同じ結果になりません。どの工程で異なってくるのかというと、上記の「選択範囲の拡大」の工程です。
Painter9.5の演算精度が甘く、適切な拡大ができないのです(図2-15)。

〈図2-15 Painter9.5で選択範囲の拡大を実行した結果〉
図2-15では拡大の結果、意図しない部分に選択範囲が飛び出しています。
これはまだましな方で、イラストによっては四方に飛び出しが発生したりしてました。
と言うわけで、Painter11ではマジックワンドツールや選択範囲の拡大が改良されてるのが分かります。
正直なところ、PainterのマジックワンドツールはPhotoShopと比較しても精度が悪く、このような下地レイヤーを効率的に作る作業に全く向きませんでした。Painter11では改良されて、使える機能になったのは重畳な事だと思います。
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