しかし、Photoshopの「レイヤーの結合」機能とは違って、レイヤー結合前と結合後とでは結果の内容が異なることが多々あります。
レイヤー結合の問題(具体例)
例えば、図1のⅠとⅡのように、キャラクタの髪の部分をグラデーションで着色した2枚のレイヤーがあるとします。
〈図1 グラデーション着色した2枚のレイヤー〉
これらのレイヤー構造は、Ⅰのレイヤーが上、ⅡのレイヤーはⅠの直下にある状態となっています(図2)。

〈図2 2枚のレイヤー構造〉
ここから、上のレイヤーⅠの合成方法を「デフォルト」から「差の絶対値」に変え、不透明度を50%に変更します(図3)。

〈図3 レイヤー合成方法の変更状態〉
結果、このような表示内容になります(図4)。

〈図4 レイヤー合成方法を変更した表示結果〉
それで、これら2枚のレイヤーをメニュー→レイヤー→レイヤーのグループ化(またはCtrl+G)を実行した後、メニュー→レイヤー→レイヤーの結合(またはCtrl+E、Ver.9.5ではCtrl+Shift+X)を実行し、レイヤーを1枚にまとめます。
すると、結合前(下図5のⅰ)と結合後(下図5のⅱ)では、表示される色が異なっています。

〈図5 レイヤーの結合前と結合後〉
(図は画面をキャプチャーしたものを比較)
結合前より、結合後の方が、ツインテールの向かって右の部分の色が、薄くなっているのが分かります。
この様な現象は頻繁に発生しますが、だからと言って「前と後で、必ず結合結果が違う」と言えません。
当該レイヤーに着色された色と、合成方法(レイヤーモード)や、不透明度に深く関係するので、仮に同じ合成方法でも、描画色によっては、結合前後で変わらない場合も結構あるのです。
対処方法(その1)
合成方法が「デフォルト」同士のレイヤー結合の場合は、間違いなく結果が同じになります。不透明度が違っていても影響ありません。
レイヤーの結合を多用する場合、「乗算」や「フィルタ」などを使わず、全てのレイヤーを常に「デフォルト」で描いていくのが一番確実です。
色彩を学んでいる過程の人には、この方法をお薦めします。
むやみに後から「乗算」などを使って影を作ったりするのは(油絵におけるおつゆ塗りに相当)、色彩のコントロール能力を身につけにくくなる、という説もあったりするからです。
要するに、あらかじめ対象物の色をちゃんと作って(考えて)から着色する訓練だと思えばいいと思います。
対処方法(その2)
Photoshopファイル(*.psd)として別名保存し、Photoshopで開き直して、レイヤー結合します。手軽でこれが一番お薦めです。
Photoshopは廉価版のElementsでも構いませんので、Photoshopで合成してしまうのが一番楽です。
ただし条件として、Photoshopを持っていること、が大前提の方法です。
対処方法(その3)
非常に手間がかかる方法ですが、Painterで結合前の見た目通りに合成する方法を示します。(1) 合成するレイヤーをメニュー→レイヤー→レイヤーのグループ化(またはCtrl+G)。
(2) レイヤーグループの複製。
レイヤーグループを選択状態にし、メニュー→レイヤー→レイヤーを複製(または、右クリックで出るコンテキストメニューから複製)を実行。

〈図6 複製したレイヤーグループ〉
(3) 複製したレイヤーグループをキャンバスに固定。
レイヤーパレットのレイヤーコマンドボタンを押し、固定を実行(図7)。

〈図7 レイヤーコマンドの一覧画面〉
キャンバスにレイヤーグルーブの描画内容が固定されました(図8)。

〈図8 キャンバスの内容〉
(4) 新規レイヤーを作成。
レイヤーの階層は、元の髪グループのある階層と同じでいいです。
分かりやすいように、レイヤー名を「結合したレイヤー」に変更しました(図9)。

〈図9 新規レイヤー〉
(5) メニュー→ファイル→クローンソースで、現在開いているファイル名にチェックが入っていることを確認(図10)。

〈図10 クローンソースの確認〉
(6) (4)で作成した「結合したレイヤー」を選択状態にし、メニュー→編集→塗潰し(または、Ctrl+F)を実行。
Ver.9.5の場合、メニュー→効果→塗潰しを実行。
すると、塗潰しダイアログ(図11)が出るので、「塗潰し方法」にクローンソースを選択し(図11の赤い丸で囲んだ部分)、OKボタンを押下。

〈図11 塗潰しダイアログ〉
「結合したレイヤー」にキャンバスの内容がまるごとコピーされた状態になります(図12)。

〈図12 塗潰し結果状態〉
髪以外の箇所も、白で塗り潰しコピーされているのがわかります。(図12では、分かりやすいように、レイヤーパレットのサムネイルを「大」に変更済み)
(7) 髪以外の部分の選択範囲を読み込み、白い部分を削除。
選択範囲の取り方は、以下の三通りの方法があります。
(7-1) グループコンテンツの選択を用いる方法(ver.11)
(1)で残しておいた髪のレイヤーグループを、Ctrl+クリックして選択範囲を取ります。その後、メニュー→選択→選択範囲の反転(またはCtrl+I)し、Backspaceキー押下。
(7-2) 透明度を用いる方法
(1)で残しておいた髪のレイヤー(単体)を右クリックし、コンテキストメニューから「透明度から選択」を実行し、選択範囲を取ります。
その後、メニュー→選択→選択範囲の反転(またはCtrl+I)し、Backspaceキー押下。
ver.11の場合は、該当レイヤーをCtrl+クリックして後、選択範囲を反転でもOKです。
(7-3) チャンネルを用いる方法
(1)~(2)のを実施せず、元の髪レイヤーの透明度から選択範囲を取り、あらかじめチャンネルに保存しておく。
メニュー→選択→選択範囲の読み込みを実行し、保存しておいた選択範囲(の反転)を読み込み、Backspaceキー押下。
今回のイラストの場合、以前に作成した髪チャンネルがあったので、これを使って削除しました。
実行した結果は図13の通りです。

〈図13 白い部分を削除した結果状態〉
髪以外の白い部分が削除され、透明状態になりました。
正直、こんな回りくどい方法は面倒以外のなにものでもないので、できればCORELにレイヤー結合の仕様がPhotoshopと同様、どんな合成方法や不透明度でも、結合前と結合後が必ず同じ表示状態になるようにしてほしいです。
関連テキスト
・便利な「グループコンテンツの選択」機能
この作例は、ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)に基づいて、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター「初音ミク」を描いたものです












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